恋する花火④
「こうちゃんいっぱい買ったね
一人で食べるの?」
「えっまぁ...残した物は、
明日食べればいいし」
「そう?ふーん」
現在里紗達とは、別れ
日菜姉と二人で歩く。
「あっ、ここ空いてるこうちゃん
座ろう?」
「えっうん」
花火大会の会場に設置されている。
椅子に座る。
「ねぇこうちゃん」
椅子は、空いてるのに
何故か隣に座った日菜姉が
深刻な顔をして、こちらを見る。
「なっ何?」
「私……お腹空いちゃった」
「あっじゃ…食べる?」
「うん!」
孝介は、買ってあった食べ物を広げる。
「ん〜こうちゃんは、最初何食べる?」
「たこ焼き食べようかな
日菜姉は?」
「私もたこ焼き食べたい〜!」
「じゃ半分こにしようか」
たこ焼きを分けようとする前に
日菜姉があーんと口を開ける。
「…日菜姉」
「お腹すいたのこうちゃん早くあーん」
「…はいあーん」
孝介は、渋々たこ焼きを一つ日菜の口に
入れる。
「んっ……美味しい」
日菜は、口に入ったたこ焼きを咀嚼する。
「………」
孝介は、たこ焼きを食べている
日菜姉が目が離せなかった。
いつもの日菜姉ではなくて、
どこか妖艶な……、
「もぐもぐ……ん?
どうしたの?」
「……あっいや……」
「ふふ、変なこうちゃん」
日菜姉は、フフと笑う。
(なっなんでこんなにドキドキして)
孝介は、胸をギュッと抑える。
「ねぇ…こうちゃん
私に何か言う事ない?」
「うっ…」
孝介は、さっき言った。
俺の姉は、一人だけと言う言葉
を追求されたと思い
言葉が詰まる。
「こうちゃん
毎年言ってくれてたと思うだけとな〜」
「えっ?」
(えっ違うの?じゃあなんだろう)
孝介は、日菜姉を改めて見る。
「…あっ!
日菜姉…浴衣似合ってるよ」
「ありがとう」
これが正解だったのだろう
日菜姉は、満面の笑顔をこちらにむける。
「それにしても、その浴衣意外だね」
「そう?」
日菜姉が裾を広げる。
日菜姉の着ている浴衣は、
深紅の色をベースとしたの大人びた印象だった。
「いつもは、なんて言うか
黄色の明るい感じの服とか、
去年は、黄色の浴衣だったから」
「いつもは、子供っぽいって?」
「いや、そんな事は」
「フフ、大丈夫だよ自分自身子供っぽいな〜
と思って着ていたから」
「えっそうなの!?」
「うん、本当は、こう言う
雰囲気の服が好きなの」
「そうなんだ…」
日菜姉とは、
何年も一緒にいたのにそんな事も
知らなかった。
「うんうん…で、
こうちゃんにとって、
私って何?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます