拒絶は、好意の裏返し③ 【鈴視点】
「…こうくん…」
私は、こうくんの部屋の方向の壁に、
頭をつけこうくんの事を考えながら、
項垂れる。
この行動は、こうくんと距離を置いてからの
習慣となってしまった。
「ハァ……」
まったく自分が嫌になる。
自分からこうくんから離れたのに…
こうくんに言った、
原稿が忙しいと言うのは、
本当ではあるが、
こうくんと一緒に過ごせないほど
忙しいと言うわけではない。
「ハァ…私は、どうすればいいの…」
…私は、このまま幸せな時間が
いつまでも続くと思ってた。
朝起きて、こうくんの寝顔を見た後
ご飯作って、こうくんを起こす…
そしてご飯を一緒に食べて、
休日は、夜までずっと一緒に過ごす。
だけどそんなのは、ずっと続かない。
来年には私は、高校三年生だ
進路の事を考えなければいけないし
それは、こうくんにも言える事だ。
そうなれば、こうくんと一緒にいられる
時間も少なくなるだろう。
そして将来、こうくんは、
就職してこの町から、出ていくかもしれないし、
…他の女性を好きになって
その女性と付き合い始める…かもしれない。
…嫌だな…自分の胸を抑える。
「…やっぱり私…こうくんの事を…え?」
ガシャャン!!
突然こうくんの部屋から大きな音が聞こえる。
「なっ何!?
こうくんの部屋からだ……こうくん!!」
鈴は、嫌な予感がして、
避けていた事すら忘れて、
孝介の元に急いで向かった。
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