変わりゆく未来
「姉さん、こっちだよ」
「うん、こうくん」
夏の暑い日差しの中、
孝介と鈴は、とある場所に来ていた。
ミーンミンミンミン
「それにしても暑いね姉さん大丈夫?
日傘でも持って来ればよかったね」
「フフ、心配性ね大丈夫よ
それに、掃除もしないといけないから
邪魔になるだけよ」
鈴は、笑いながら掃除道具を持ちあげる。
「うんわかった、
でも水分補給は、ちゃんとしてね?」
「わかってるわ、
フフ、こうくん今日は、心配性ね?」
「それは、姉さんがどこかいつもより
テンションが高いから」
「そう?フフそんな事ないとッ!」
「危ない!!」ガシッ
段差によって躓いた鈴を孝介が抱き止める。
「姉さん大丈夫?」
「…フフありがとう、
私…こうくんの言う通り
少し浮かれてたかもしれないね」
鈴は、苦笑いしながら言う
「やっと…やっと…お義父さんのお墓に
お参りする事ができるんだから」
そう、今日二人の目的は、
父が眠るお墓にお参りする事
これは、前に鈴姉さんが言い出した事で
姉さんは、前日に美容院に行き、
新しい服を買って
今日は、化粧までしており
とても綺麗で気合が入っていた。
それを指摘すると
「この数年間お墓参りできてないから
お義父さんにちゃんと成長した姿を
見てもらいたいから」
と姉さんはどこか悲しそうに
語っていた。
「父さんも姉さんが来てくれて
喜んでると思うよ」
「…そうだったらいいな」
そう話しながら歩いていくと
父さんが眠っているお墓の前に来た。
「…ここが…」
姉さんは、お墓を見て目を潤ませてる。
「…姉さん」
「…うん大丈夫、
さぁ掃除しよお墓綺麗にしないと」
「そうだね」
孝介と日菜は、
さっそくお墓の掃除を始めた。
・
・
・
「……ふう、姉さんこのくらいで」
一通り掃除し終え
花を添えている姉さんに話しかける。
「うん…」
掃除道具をまとめて、
二人はお墓に向き合い
手を合わせる。
(…父さん姉さんが来てくれたよ
正直まだ、ぎこちなくなったり
するけど徐々に慣れていけたらいいなぁ
と思うよ、だから父さんどうか
俺たちを見守って下さい)
孝介は、父にこれまでの事を報告した後
目を開け姉さんの方を見ると
まだ目を閉じて手を合わせていた。
そんな鈴姉さんを見ると
何か体の奥から熱い物が湧き上がって来る。
もう戻らないと思っていた
家族が隣にいる事がとても嬉しかった。
そう考えていると鈴が目を開けこちらを見る。
「うん?どうしたのこうくんこちらを見て」
「いや、何か嬉しいなと思って」
「なにそれ...フフッ」
孝介は、恥ずかしくなり頭をかきながら
「…とっ父さんに挨拶できた?」
「…うん、こうくんのおかげ
ありがとう今日ここにつれて来て
くれて」
「いや、お礼なんていいよ
…それじゃ帰ろうか姉さん」
「うんわかったわ
…それじゃまたねお父さん」
二人は、お墓を後にする。
ミーンミンミン
「…姉さん夏だね」
「…そうだね、セミも鳴いてる」
「楽しい夏になるといいね」
「もちろん楽しくなるわ、
今年はこうくんがいるもの」
「ハハッ、そうだね今年は姉さんもいるから
楽しくならないはずがないね」
二人は、見つめ合いそして笑い
帰り道を歩いて行く。
そして、本格的な夏が始まる。
…ある者は、
「おーい、そろそろ始めるよ〜!」
「わかった!今行く!!」
バチン
「さぁ頑張れ私!
今年こそこうちゃんと
…うん頑張るぞ!!」
と気合入れ
…また、ある者は、
「…ハァ、仕方ない...か
私にも守りたい物があるから
…ごめん」
とそこにはいない幼馴染に謝罪し、
…そして、
「ハァやっぱり、
数年ぶりに会うと印象が変わるもんだね
あんなにちっちゃくて可愛かったのに
今は、あんなにかっこよくなって
ねっ孝介くん」
女性は、写真を取り出し語りかける。
…さまざまな、
思いが交差する未来が孝介をまっている。
どうもこんにちは、
これで三章が終わりになります。
三章の最後の方は、あまり投稿がうまくいかなかったりしましたが、何とか終わらせる事ができました。
4章は、近日中には投稿を始めたいと思います。
それでは、ここまで見ていただいた方々
に感謝をそして、これからもこの作品を
よろしくお願いします。
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