解放された日々

「………フフ」


私は、式場の外でほくそ笑む


あの後、病院に運ばれた祖父と祖母は、

亡くなった。


なんで、病院に運ばれたかと言うと、

旅行中の事故だったらしい

どう言う事故だったかも聞いたが

正直覚えてない。


そんな事よりも、

祖父母が亡くなったのが嬉しかった。


(ああ…嬉しい、

 不謹慎なのかもしれないけど

 心が踊るし何か解放感がある)


鈴は、祖父母たちから解放された事と

孝介が完全に守れたと思い安堵していた。


「あっ!?」


「ん?」


声が聞こえて振り返ると

そこには、ショートカットの女性がいた。


「あの貴方…鈴さん?」


「はい?、えっとあなたは?」


「突然ごめんなさい始めまして私、

 西宮梓にしみやあずさと言います。」


「西宮…ああ、母がお世話になっている

 会社の」


「はい、父がその会社の社長をしています。」


「そうですか、いつも母がお世話になってます。」


母は、仕事に行き始めてから、

一段と調子が良くなり元気になっていた。

なので鈴は、その感謝も込めて頭を下げる。


「いえいえ頭をあげてください、

 こちらこそ、お母様がとても優秀で助かってると父から聞いてます。」


「そうですか、…それで…」


「ああごめんね、君のお母様が君を探してたので呼びに来たの」


「そうなんですね、ありがとうございます。

 すぐに向かいます」


「うんそうしてあげて、

 またね」


「?、はいそれでは」


鈴は、頭を下げて母の元に向かった。

        ・

        ・

        ・

「お母さん」


周りをキョロキョロ見渡してる

お母さんに、近づく。


「あっ鈴、どこ行ってたの?」


「ごめん外の空気吸ってた」


「そう…でも、

 いなくなる前に私に言ってね」


母の手を見ると震えていた。

なので私は、その手を優しく包む


「うんごめんね、少し離れる前には、

 ちゃんと言うね」


「…うん、ありがとう」


二人は、お互い優しく微笑んだ。





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