放課後の彼女は…①

「孝介!!」


姉さんとの食事を終え教室に戻ると

秀助と里紗が何か険しい顔で

こちらに歩いて来た。


「うん?どうしたんだ」


「どこ行ってたんだ?

 連絡しても返事こないし探したんだぞ」


「えっそれは、すまん

 昼飯食ってたんだけど

 …それで何かあったのか?」


秀助と里紗は、見つめ合ったあと

あーと言いながら秀助が頭をかきながら、


「いや、何かあったんじゃなくて、

 孝介が居なかった為に

 起きなかったと言うか…」


「うん?どう言うことだ?」


孝介は、言葉の意味が理解できず

首を傾げる。


「えっとわかりやすく言うと…」

「私が言うわ」

「えっ…まぁその方がいいか、

 それじゃ頼む」


説明しようとしていた秀助の代わりに、

里紗が前に出てきた。


「実は、孝介が来る前にお姉ちゃんが

 教室に来たの」


「日菜姉が…」


どうやら里紗が言うには、

自分が姉さんと一緒にお弁当を食べている間に、

日菜姉が教室に来た様で、

それに気づいた里紗と秀助が話しかけると

どうやら、自分に会いにきたと言ったらしい


「それで、孝介を呼ぼうとしたんだけど

 いないし、連絡しても繋がらないしで」


「あ〜マナーモードだったから、

 気づかなかったんだよな…

 それで、日菜姉は…どうしたの」


「孝介がいないんだから、

 帰るしかないでしょ」


「そっか…」

「ねぇ、孝介…孝介が気まずいってのもわかってる…だけどお姉ちゃんを避けないで上げて」

「…うんわかってる」


日菜姉を避けてるつもりはないが

いま会うのは、正直気まずい。

だけど会わなきゃいけないのもわかっている…よし、


「里紗、行ってくる」


「今から?それは、やめときなさい

 もう昼休みが終わるわよ、

 放課後に生徒会で会うでしょ?」


「いや今週は、生徒会の活動ないから」


「そうなの?少し待って」

そうと言った後、

里紗は、何処かに連絡し始めた後


「ん…わかった。孝介、

 放課後生徒会室で待ってるってお姉ちゃんが」

「…わかった」

         ・

         ・

         ・

ガラガラ

放課後生徒会室の扉を開くとそこには、

「こんにちは…こうちゃん」


開けられていた窓から入ってくる風を

浴びていた日菜姉がこちらに気づき

振りかえって儚く笑った。




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