恋は、落ちる物②
「あっ姉さんちょっとトイレ」
「うん行ってらっしゃい」
私は、こうくんを送り出した後
思考の海に入る。
こうくんに影響を与えた人間…
一番可能性があるのは、梓……ね、
梓は、戸籍上私の義理の姉だけど
こうくんとは、関係ないはずなのに、
何のつもりか知らないけど
最近私とこうくんをかき乱そうとする。
じゃ梓?……いや梓は、ないわね
私と里紗と一緒にこの街を離れていたし、
今日一日でここまで
こうくんに影響与えられない
それなら里紗?
いえ…理由がないわね。
「姉さん?どうしたの」
「ん?どうしたのこうくん」
いつの間にかこうくんが隣にいて、
私を心配そうに見る。
「いや…何回も名前呼んだのに
返事がなくて」
「ごめんなさいね、
ちょっと考え事してて」
こうくんにそう言い訳を言ってごまかす。
(このまま考えても、らちがあかないわね
こうくんとの会話の中から
原因を探してみましょう)
「ねぇこうくん」
「ん?どうしたの」
「こうくん私がいない間何してたの?」
「俺?……別に家にいたけど」
「家?こうくん何処か出かけたり
しなかったの?」
「うん、バイトも爺ちゃん夏休みとって
旅行行っちゃったし、
特に用事もなかったから」
「…そうお祖父さんは、
どちらに?」
「別府に行ったよ、
温泉好きだからね爺ちゃん」
「そうなのね」
(…この様子じゃお祖父さんじゃなさそうね
それじゃあと考えられるのは…
日菜か詩織さんね)
「あっ花火始まったみたいだね」
こうくんが言う様に
ドーンドーンと窓の外から聞こえて来る。
外を見ると建物の間から花火が
何とか見えている。
「あっよかった
ギリギリ花火も見えるよ姉さん」
「ええそうねよかったわ」
そう相槌を打ちながら
こうくんに気づかれないようにしながら、
再び考え始めようとしたが
「姉さん…話があるんだ」
とこうくんが話しかけて来る。
「……どうしたの?」
「姉さん…これからも一緒に
居てくれるんだよね」
「ええ」
「うん……なら姉さん
俺と付き合おう」
「どう言うこと?」
「だから、
結婚を前提に付き合おう姉さん」
「…………へ?」
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