恋は、堕ちるもの
【日菜視点】
「それじゃ…また…」
「うん、こうちゃんまたね」
こうちゃんは、
背を向けトボトボと家に帰って行った。
その表情は、青白く相当
追い詰められてるように見える。
「………」
その背中が見えなくなるまで見送ったあと
私は、スマホを手に取り電話をかける。
「もしもし里紗?
…うん合流できるよ
あっこうちゃんは、用事があって
…うんわかった今から向かうね」
電話を切り集合場所に向かう。
…こうちゃん…私の好きな人
私が壊してボロボロにして
立ち上がらせなくして手に入れる人。
「…ひどい女…」
こうちゃんの苦しみも悲しみも
知っているのに、
そこに引きずり落とそうなんて...、
「こうちゃんは、
これから鈴に、告白する」
自分が言った言葉に、心が痛む。
だけどこれは、受け止めなければいけない
何故なら、これは私が告白するように、仕向けたんだから。
そして、それを鈴は受け入れない
だって今の関係が幸せだから、
わざわざその関係を変えたくないはず。
まぁ…成功しても、
そんな歪な関係でうまくいくわけがないし
私が手を回してでもうまくいかせない。
「ふぅ到着っと
あれ?まだ来てないみたいだね」
集合場所に着いたがまだ里紗達は、
来ておらずスマホを見てみると
少し遅れると連絡があり、
その場でしばらく待つ。
「こうちゃん…堕ちて来て」
今回の事でこうちゃんは、
心に深い傷を負うだろう
「私も堕ちるから…」
私は、その傷だらけのこうちゃんを
抱きしめて引き摺り込む
もう立ち上がれないように、
淡い期待を持たないように、
ヒュ〜〜ドーン!!
空に大輪の花火が咲き誇る。
こうちゃんは、
この花火を見ているだろうか?
…泣いてないだろうか
「あっいた、ごめんごめん
遅れちゃっ……お姉ちゃん?
どうしたの?」
声の方を見ると里紗達が居た。
その顔は、困惑したようだった。
「……どうしたのってなにが?」
「だって、泣いてるから」
「えっ?」
その言葉で私は、
自分が泣いてることに初めて気づく。
「ハハ、何でだろうね
……わからないや」
私が笑いかけると
里紗は、より一層複雑そうな顔をする。
(こんなつもりじゃなかったんだけどな〜)
「……姉さん……」
…本当に何で泣いてるんだろう
私には、そんな資格ないのに
こんにちは、
これで四章は、終わりになります。
この後と致しましては、間話を挟みまして
五章を始めたいと思います。
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