日菜姉と孝介と遊園地 ②

「こうちゃん、着いたね」

「…うん」


孝介と日菜は、遊園地の前に立つ。


遊園地は、平日だからだろうか、

人は、少ない様だった。


「ねぇ日菜姉?」


「ん?どうしたの?

 さっ中に入ろう?」


「うん、わかってるけど

 何でここに来たの?

 遊園地なら、もっと近いところに…」


そう、電車で一時間かけて来たが

この遊園地に来なくても、俺たちの住んでいる町の近くには、

ここよりも新しくて人気のある遊園地があるのだ。


なのに、日菜姉が行きたいと言ったのは、

この遊園地だったのだ。


「えっ?だって、あの遊園地は、

 平日でも人多いし、

 同じ学校の子も遊びに来てるでしょ?」


「あっそうか」


「それにここは、こうちゃんと初めて遊びに来た遊園地じゃない。」


「あぁそうだったね」


確かに近くに新しい遊園地ができる前は、

日菜姉達、家族と一緒に来ていた。


孝介と日菜は、さっそく遊園地の中に入る。


「うわー懐かしい、

 こっちの遊園地に来たの何年前だっけ?」


「日菜姉、確か俺が中学二年になったぐらいだから、大体二年ぐらいじゃない?」


「そんなにだったのか〜

 まぁとりあえず…

 今日は、遊びまくるぞ〜!!

 おー!!」


日菜姉が勢いよく拳を上げる。


…チラッチラッ、

あっ…俺もするのね、…仕方ない。


「コホン…気を取り直して

 今日は、遊びまくるぞ〜!!」

 「「おー!!」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る