日菜姉と孝介と ①

ガヤガヤ、

「うーん、待ち合わせ場所は、

 ここら辺のはずだけど?」


今日は、木曜日であり日菜姉と会う日である

孝介は、駅前の待ち合わせ場所で

周りを見渡す。


「うーん、あっいた日菜姉!!」


こちらに急いで走ってくる日菜姉に呼びかける。


「こうちゃんごめん、少し遅れちゃった。」

「ううん、大丈夫だよ、はいお水」

「ハァハァ…ありがとう」


日菜姉に水を渡し息が整うまで待つ、

「ふぅ〜、落ち着いたよ」

「よかった、それにしても珍しいね」

「ん…何が?」


日菜姉がコテンと首を傾げる。


「いや、いつもよりお洒落な服着てるし」


「それは、お洒落するよ…と言うか、

 それじゃ私がいつもは、

 お洒落してないみたいじゃない」


日菜姉がプーと頬を膨らませる。


「ごめんごめん、そんな事はないよ

 いつもお洒落だし可愛いよ」


「ッずるいよこうちゃん

 そんな事言われたら、

 これ以上責められないじゃない」


「はは、…あれその髪留め」


孝介は、日菜の髪に付いていた

髪留めに注目する。


「あっこれ?」


日菜姉は、髪留めに触る。


日菜姉の髪に付けているその髪留めは、

去年プレゼントしたもので、

いつもは、大切にしたいからと

付けてくれなかったものだ。


「それは、今日が大切な日だから…」


日菜姉は、そう言って笑う、


「日菜姉…」


「てっ…あ!!もうこんな時間

 こうちゃん行こう電車来ちゃう」


そう言って、

日菜は、孝介の手を引っ張る。


「え?ちょっと日菜姉、

 今日何処に行くか聞いてないんだけど?」





「遊園地!!」


そう日菜姉は、答えた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る