色欲の姉【鈴視点】

「すぅ…すぅ」


フフこうくんの寝顔、可愛い♡


あの後たこうくんは、戻って来て早々に、

『鈴さん、抱き付かないでね

 次したら怒るから』と言って少ししてから寝てしまった。


嫌なら、別々に寝ればいいのに、

律儀というか何というか、

まぁ私は、一緒に寝たいから、

言うつもりはないけど。


「こうくん」


「すぅ…」


ふふ、本当にぐっすりと寝てるわね。

それにしても、良かった。

こうくんが日菜の物になっていなくて。


今日の放課後に、

日菜とこうくんが会っていたことは、

知っていたし、それほど心配してはなかった。


だけど、まさかこうくんと日菜が

木曜日会う約束を結んでいたなんて、

本当に大丈夫か心配になって、

ついこうくんを問い詰めてしまったわ。


「…つん…つん」

「…ぅん…んん…」


こうくんの頬っぺたをツンツンと触る。

起きるかなっと思ったが、少し反応しただけで起きる気配は、なかった。


「私…心配したのよ?」


今こうくんの心は、

私に向いてると安心していたが、

今日のことでまだ日菜に向く可能性がある事に気づいてしまった。


「…気を引き締めていかないと

 最後の最後に失う訳には、いけないのよ」


私は、こうくんの寝顔を見ながら、

決意を再び固める。


「…よし、明日も頑張るッ…きゃ!?」


へッッ!?

突然こうくんが私に抱きついて来た。


「えっ?えっ?こうくん!?」


「…すぅ…」


「ねっ寝てる…?」


どうやら、寝返りを打った拍子に抱きついて来た様だ。


「…あっこうくんの匂い」


私は、こうくんの胸にピタッと顔をつける…

静かな部屋の中でこうくんの吐息と

ドクンドクンと言う心音が聞こえてくる。


あぁ…ダメ、我慢しないと…

奥から、熱が出て来てくる。


こうくん好きっ!大好き!!

やっぱりこの火照り、我慢できない。


鈴は、さっきの孝介の姿を思い出す。

必死に興奮を収めようとして、

顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている

孝介の顔をそして…


「こうくんの♡」


あぁダメ!!

思い出しちゃうあの足に感じたあの感触、


「…大きかった」


知識では、知っていたが

あんなに大きくなるなんて…

自分のお腹に手を当てる。

あれが私の中に…


んッッーー!!

想像しただけで体の一部分がキュンキュンしちゃう。


どうしよう、もう我慢できないッ…って、

何かを感じたのだろう

こうくんが寝返りを打って私に背を向ける。


「ムゥ…こうくんったらお預けだよ、

 ハァ…仕方ないシャワー行こう…

 この火照りを流さないと」


私は、ベットから抜け出し部屋のドアを開けて、

「大好きだよ…だから、

 




鈴は、バタンと扉を閉めた。




「………」

 






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