夏休みの始まり
「よーしこれで解散だが、
お前たち夏休みだからって
ハメ外しすぎるなよ」
「「「はーい」」」
「よし解散!!」
クラスの担任が教室から出ると
クラスメイト達が帰り支度をしている。
自分も早速帰ろうとすると
「孝介」
「うん?秀助どうした。」
親友の秀助が話しかけてきた
。
「いや、夏休みだろそういえば
お前の予定とか聞いてないなと思って」
「俺は、バイトざんまいだよ
秀助は?」
「俺は、もちろん彼女とデートって
言いたい所だが、
実家から連絡きたから帰るよ」
「秀助の家ってここから遠いんだっけ?」
「まぁーな、電車で数時間はかかる。
本当は、帰りたくなかったんだが
帰ってこいだと」
秀助は、諦めのため息をついた。
「ふーんそうなんだ、
でも、夏休み丸々
帰るわけじゃないんだろ?」
「それがわからないんだよな〜
もし帰ってこれたら遊ぼうな?」
「ああいいよ、でも彼女の方はいいの?」
「そんなんもちろんデートしまくるに、
決まってるじゃん
まぁ…バイト始めるって言ってたから
なかなか会えないかもだけど」
「そういえば、そうだったな
まぁいいじゃないか
彼女とデートできるだけ」
「そんな事言うなら、孝介も彼女作れば
いいじゃん」
秀助は、呆れた顔をしている。
「そんな簡単に言うなよ
俺は、相手から探さないと
いけないんだから」
「何言ってんだ、いるだろうが周りに
ほらっ西宮先輩とかとうっ!!」
「どうした?」
「とっ…てもお似合いだと思うぞ」
秀助を見ると大量の汗をかいている。
「西宮先輩は、美人で頭もいいし
その上性格もいいときた」
「…いや、鈴さんは…」
「何を言ってるんだ!!
あんなに仲良くしてるのに、
俺が代わって欲しいぐらいだ!!
……あ…」
秀助は、
顔を青くさせてガタガタ震えている。
「ちょっ!!秀助大丈夫か?」
「…は?
…だっ大丈夫に決まってるじゃないですか
それより、……さっきの話しは無しで」
「さっきの話って?」
「いや〜ほら俺彼女いるわけじゃん
それなのに代わって欲しいとか、
それは、不味いと思うんだわ」
「は?」
「ほら俺、彼女一筋だからさ
なっ!なっ!!そうだろう?」
秀助が必死に同意を求めてくる。
孝介は、その迫力に押される。
「あっああ、そうだな
秀助の彼女さんの写真とか見た事ないけど
話しを聞いてる限りだと一途だと思うよ」
「そっそうだよな、ありがとう
それじゃ俺は帰るわ!!
何かあったら電話でもしろよ」
そう言うと秀助は、そそくさと荷物を詰めて
教室を出て行く。
「…なんだったんだ?」
秀助が出て行ったドアを見ていたが
ふと反対側を見ると
鈴姉さんが立っているのが見えた。
(やばっ遅れたから迎えにきてくれたのかな?)
孝介は、急いで荷物を纏めて鈴の元に向かう。
近づくと鈴姉さんが委員長と話していた。
「あなたも大変ね?」
「…いえ、ああ言う所も可愛いので」
「…そう、でも油断すると逃げられるよ」
委員長の目が妖しく光る。
「そんな事、許すわけないじゃないですか
…でもその為にも」
「あぁそれじゃ…これ」
姉さんが委員長に紙を渡す
それを委員長は見たのちバックに入れる。
「…確かに、ありがとうございました。」
委員長は、チラッとこちらを見て
「…あぁ、西宮先輩
例の件了解しました。」
「…わかったわ」
委員長は、それだけ言うと
早々に立ち去っていった。
「……鈴さん、
委員長と何話してたんですか?」
「世間話と
ただちょっとお願いを
聞いてもらっただけ」
「そうなんですね、
それじゃ帰りましょうか?」
「うん」
少し違和感を感じたが
それを心に閉じ込め
鈴姉さんと一緒に帰宅した。
そして、ここから夏休みが始まった。
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