鈴が守りたかった物 ②
「さて、何から始めようか?」
鈴は、祖母の部屋に入り掃除を始めた。
祖母の部屋は、ブランド品のバックなどが置いてあり派手だった。
「うん?これはノート?」
掃除してるとおかしな場所にノートがあった。
「これは、日記?」
ノートを読んでみる。
「………え……これどう言う事」
そこに書いてあったのは、
鈴にとって悪夢のようなものだった。
『○月○日、
前から話していた、子供の件だが
上手くいかない。
向こうが子供に私たちを近寄らせない
何か別の方法を考えないと』
『○月○日、
娘が役にたたない
娘に電話や手紙を送らせたが
上手くいかない
しかも、会いに行かせて見たら、
孝介に近づくなと言われたらしい
まったくあの子は、
何をしたんだろうか
本当に使えない』
『○月○日、
鈴に手紙を送るように聞いてみたが、
強烈に拒否された為諦めた。
まぁダメ元だったので
もう諦めるとしよう』
「………は?」
鈴は、がくぜんとした
(えっ?どう言う事!?
お母さんがこうくんに、
連絡…してた?)
「あり…えないギリッ、
私がどんな気持ちで…!!」
鈴は、孝介を守る為に距離をとっていた。
なのに母は、私にも言わずに
祖母の言いなりになって連絡を取っていた。
あまつさえ、会いに行って拒絶された。
つまり、拒絶されるほどの何かをしたのだ。
鈴は、母に初めて強烈な怒りを感じた。
「…とにかく、先を読まないと」
鈴は、日記の続きを読み始める。
そこには、鈴の事から、ご近所の噂話し
はたまた旅行の計画まで様々書いてあった。
パラッパラッピタッ、
順調に読み進めていた指が止まった。
「お母さん…どこまで…ギリッ」
内容は、こんな感じだった。
今、母が働いてる場所は、
元々祖父からの働きかけで
入れたらしい。
祖父の思惑は、その会社の社長
つまり前あった、西宮梓の父と
母を再婚させようとしていたらしい。
まぁここまではいい、
だがその中で、
予想外に両方がひかれあったらしい。
これだったら、再婚まで秒読みとまで書かれていた。
つまり母は、
私が必死に守ろうと奮闘してる裏で
こうくんと会いそして傷つけ、
事故で亡くなったお父さんの事も忘れて、
他の男と恋愛をしていたのだ。
「フフフ…ハハハ…私は!!
…何の為に…頑張って…
…守ろうと……クアァァァ!!」
ガシャン!!
鈴は、情けなさ、怒り、悲しみなど
様々な感情が溢れ出し号泣して暴れる。
守ろうと努力して努力して努力した
その結果がこれなのだ無理もないだろう。
…許さない許さない許さない許さない
アァァァ!!
「どっどうしたの鈴、大丈夫!?」
振り向くとそこには、
心配そうにこちらを見る
女の姿があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます