夢見る星空②
「ここにいたか」
孝介と鈴は、
荷物を指定された部屋に置いた後
日菜の元に戻ろうとしていた時
前から、雪弘が歩いて来た。
「雪弘先輩、お疲れ様です」
「雪弘くんお疲れ様、
それでどうしたの?
私達を探していたみたいだけど」
「ああ、孝介を借りたいと思ってな」
「こうくんを?」
「そうだ、天文部がへたやってな
あいつら、全員防寒着を
忘れてたようなんだ」
「全員って、夏でも寒いですよ
なんでそんな事に」
「それがな、天体観測は、久々らしくて
部員全員がテンションが
上がりまくったらしくてな」
「それで忘れてたと?」
「あぁ、望遠鏡とかは、そんなにいるのかと
言うぐらい大量に持って来たんだがな」
そう言って、雪弘先輩は頭を抱える。
「それでな、教会の毛布を
貸し出す事になってな
孝介に手伝ってもらいたくてな」
「あら私は?」
「西宮は、日菜の方に行ってくれるか?
あちらも、人が欲しそうだったから」
「そうわかったわ、それじゃまた後で
…あっこうくん、
作ってきた軽食は一緒に食べましょう」
「あっうんわかったよ姉さん」
姉さんは、そう言って去って行った。
「………」
「さて、行きましょうか?
…?どうしました?」
姉さんを見送ってから、
雪弘先輩の方を見ると眉間に皺を寄せていた。
「いや、西宮の事なんだが……」
「姉さんの事ですか?」
「……いや、行こう」
「えっはい」
先輩は、それ以上何も言わず歩き出す。
孝介その後ろを歩き着いて行く
(何が聞きたかったんだろう?)
孝介は、考えるが答えに辿り着くことはなかった。
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