拒絶は、好意の裏返し ①

ガチャ…

「………」


孝介は、ふらふらと家の中に入る。

その足は、おぼつかなく、

その結果として、ガッ!ガッシャン!!

と足を引っ掛け転ぶ拍子に物を

派手にぶち撒けるが…


「…日菜姉が…」

孝介は、気にする様子もなく

立ち上がり寝室へ入る。


寝室に入った孝介は、

ベットを背に床に体育座りをして、

考えにひたる。


孝介の頭の中は、

日菜との会話でいっぱいだった。


『そうだよ、こうちゃんいや孝介くん

  私は、出会った時から

   君のことが好きです』


知らなかった…

日菜姉がずっと俺の事好きでいてくれてたんなんて、


『…やっぱり、私の事は、見てくれないんだね』


知らなかった…

日菜姉は、ずっと悩んでたなんて、


『ねぇこうちゃん、私ね

 こうちゃんの為ならなんでもできるよ

 だからね私を見て…?』


知らなかった!!

日菜姉をあそこまで追い詰めていたなんて…


それも全て、

「…俺のせいだ…」

孝介は、自分の髪を掻きむしる。


カウンセリングによって、

自分の症状、異常さを自覚した今だからこそ

余計にわかってしまう。


自分だ自分のせいで、

日菜姉が苦しんでいる。


ずっと気づいてなかった、

ずっと自分の事だけを考えて周りの事を考えてなかった。


「俺は…俺は!!」


孝介は、頭を抱えて嘆く、

今の孝介の精神は、ボロボロだった。


元々耐えきれなくて、逃げていたトラウマに

向き合い理解するだけでも負荷が凄いのに、

日菜との会話と行動で、

精神が追い詰められた。


そのストレスによって、

精神は、傷つきボロボロになっていく…

そして、精神を守る為に心は、必然か…

幻想を作り上げる。





『…こうくん』


ビクッ!?

誰もいないはずの部屋から、

声が聞こえてくる。


孝介が顔を上げて見てみると…

幼き頃の鈴の姿があった。


「……お姉ちゃん」

『こうくん…大丈夫私がいるよ』


そう言いつつ幻想の鈴は、

徐々に、孝介に近づき優しく抱きしめる。


『大丈夫…大丈夫、

 こうくんは、優しい子…

 優しい子だから、傷ついちゃう

 大丈夫私がずっとそばにいるから

 泣かないで…』


「………」


幻想の鈴姉さんに抱きしめられ

孝介は、妙な安心感に包まれる…








後半が消えたので、書き直して次の話に載せます。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る