孝介と鈴のケーキ

ガチャ

「ただいま帰りました」


爺ちゃんに呼ばれた後

ケーキを食べ帰宅した


パタパタ

「お帰りなさい」


エプロンをつけた鈴先輩が来た

いつも思うが先輩は、綺麗だ


「今日は、早かったね

 バイト先に行くって聞いてたから

 遅くなると思ってた」

 

「すいません、連絡すれば良かったですね」


「いやいや気にしなくいいよ

 取り敢えずご飯にしようか」


鈴先輩が、キッチンに向かおうとしている


「あっ先輩」


「うん?」


先輩が振り返る


「これ、お土産です」


持っていたお土産を先輩に渡す


「これケーキ?」


「ええ、バイト先のケーキですけど

 好みがわからなかったので

 何種類か買ってきました」


爺ちゃんとかでケーキ食っていた時

(そういえば、

 鈴先輩に何もしてあげてないな)

と思いケーキを買ってきた


「私に?本当にいいの」


「ハハ、いいに決まってますよ

 日頃お世話になってるお礼です」


「……ありがとうこうくん!!」


先輩が感極まった感じでお礼を言う


「いえこちらこそ鈴先輩、

 いつもありがとうございます」


二人は、その後もお礼を言い合い

いつしか「フフ」「ハハ」

笑い合っていた

        ・

        ・

        ・

        ・

        ・

「さてどれ食べようかな」


鈴先輩は、目の前に広げられたケーキを

見て悩んでいた


「二つでも、三つでもいいですよ

 これは、鈴さんに買ってきたんですから」


「……こうくんは、

 女心がわかってないね」


「えっ」


鈴先輩が睨みつけてくる


「私だってこうくんがせっかく買ってきた物

 だから、全部食べたい気持ちもある」


「ぜっ全部ですか、鈴さんが食べたいなら

 いいですよ?」


「よくないの」バンッ!!


先輩が机を叩く


「一つのケーキに、どんだけのカロリー

 があると思うのそれを数個食べるだなんて

 考えただけでも」


先輩がフルフルと体を震わせる

(先輩そんなに体型、

 気にしなくてもいいと思うんだけどな)


先輩は、モデル体型であり孝介から見ると

少し痩せすぎではと思って心配していた


「せっ先輩は、全然痩せてると思うし

 今日は、夕ご飯も先輩いつもより

 食べなかったじゃないですか

 だから大丈夫です」


「……太ったらダイエット手伝って」


「はい」


鈴先輩は、ケーキの中から

チーズケーキとチョコレートケーキを

取った


「…いただきます」


先輩は、スプーンですくい口に入れる


「ん〜〜〜!」


「お味は、どうですか?」


そう聞くと鈴先輩は、

満面の笑顔で


「美味しいよ、こうくん」

と言った


孝介は、良かったですと返事をしながら

(なんだろ何か懐かしい感じがする

  …そうだこれは)


『こうくん、ありがとう美味しいよ』




 

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