姉と弟の不思議な関係①(鈴視点)
「あっそろそろ出ないとやばそうです
それじゃ、…行ってきます」
「うん、
孝介くん行ってらっしゃい♡」
鈴は、エレベーターに乗った後
マンションを出てバイトに向かった
孝介を上から背中が見えなくなるまで
見つめていた
「さて行きますか♡」
鈴は、カギを使い玄関を開けた
「う〜ん、コウくんってちょっと不用心なのかな〜?」
孝介からもらった合鍵を大事に握り締める
「お姉ちゃんなんだから、叱った方がいいのかしら?」
「でも、私を信じて渡してくれたんなら
嬉しいし、それで怒るのは、可哀想ね」
鈴は、怒った方がいいのかどうなのか
悩みながらリビングに入る
「まぁ、とりあえずは、様子を見て決めましょう」
「それに今から掃除を始めないと
コウくんは、結構綺麗にしていると思うけど」
鈴は、孝介の家を掃除し始めた
・
・
・
「フウ、もうこんな時間そろそろ
料理の準備をしないと」
鈴は、リビングや玄関、トイレなど様々な
所を掃除した、その後料理を始めた
(寝室は、思春期の男子は、入られるのが嫌だと聞いていたので遠慮した)
トントン
「フフ、それにしても嬉しいわ
コウくんに手料理を振る舞える時が来るなんて」
「…でも」
鈴の顔が苦痛に歪む
「昨日の野菜炒めは、失敗だったわ
コウくんを泣かせてしまったんだから」
昨日の孝介の泣き顔を思い出して胸が苦しくなる、
あの野菜炒めは、まだ姉と弟の時によく食べさせてた料理だった。
もしかしたら、この料理で思い出してくれるかなと思って作ってみたけど
結果は、泣かせてしまった
「本当に私は、バカよね
自分の欲求のために、コウくんを傷つけるなんてギリッ」
「コウくんは、もう十分に傷ついたわ」
「だから私は、コウくんが傷付かないように守ろうと決めたのに
その為に、コウくんの住んでる所を探し出して隣に引っ越してきたのに」
鈴は、罪悪感でいっぱいだったが
バチン、頬を叩き気合いを入れた
「しっかりしないと!
私が、守る為に!!
私が、甘やかす為に!!
私が、コウくんを支える為に!!」
鈴は、気合を入れ直す
もうあんな言葉を
言わせないように
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