月曜日の朝

「うーん…よし、

 こうくんどうかな?

 これで少しは、誤魔化されると思うけど」


月曜日の朝、

朝早くに、鈴に起こされ座らされた孝介は、

自分の顔を鏡で見る。


確かに姉さんが言った通り、

昨日まで腫れていて、

今日になりアザが残っている顔が

姉さんのメイクにより、

目立たなくなった。


「うん、ありがとう

 これだったら近くで見られないと

 気づかれないと思う」


「…それなら、頑張ったかいがあるわ」


そう言いながら、

姉さんがメイク道具を直し始める。


「…凄いな…」

「うん?こうくん何が?」

「あっいや、メイクって凄いんだなぁ〜って」

「あら…興味があるの?

 女装する?」


姉さんは、期待を込めた目でこちらを見る。

「…しないよ」

「あら、残念」

         ・

         ・

         ・

「はよ〜孝介…ってその顔どうした?」


姉さんと共に登校し、

教室の自分の席に座った瞬間、

親友の秀助が話しかけて来た。


「いや…ちょっとな」


登校時には、気づかれなかったが

やはり、近くで見ると気づかれる様だ。


「お前…それちょっとの傷じゃ…

 あっいや、何か聞いた後が怖いし、

 詳しく聞くのはやめとくわ」


「えっいやそんな怖がる事は…」


「いや皆まで言うな、

 聞いちまったら、巻き込まれそうだから

 やめてくれ…それじゃまた後で」

「あっ…おい!?」

そう言って、

秀助は、そそくさと自分の席に戻っていった。


「…なんだったんだあいつ?」


孝介は、首を傾げつつ

担任が来るまでの時間がありそうなので

飲み物を買いに自動販売機に向かった。


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