孝介と鈴の勉強

「所でこうくん、来週のテスト大丈夫?」


鈴は、

ケーキを食べ一息ついた後聞いてきた。


「そっそうですね……」


視線を逸らす

孝介の成績は、平均的であるため

赤点の危険性は低いが

バイトや最近生徒会など忙しくしていた為

少し危機感を感じていた。


じー

「こうくんどの教科が心配なの?」


鈴は、確信を持った目で問いかけてくる

これは、誤魔化せないと思った。


「えっと、…理数系が不安です

 あっでも、いつもは違うんですよ

 中間テストだって平均でしたし」


「うんわかってるよ

 授業もきちんと聞いていて

 わからない所もわざわざ先生に聞くぐらい

 真面目だって事も」


(鈴先輩、俺の事そんなにも知ってくれてるんだ……あれ?)


「前回の小テストも

 点数も悪くなかった様だしこの週末

 勉強すれば間に合うよ」


「…あの」


「うん?」


「何で自分の授業の様子とか

 知ってるんですか」


「………?」

先輩が首を傾げる


「いや、それにクラスも学年も違うのに

 どうして小テストの点数まで

 知ってるんでしょうか?」


ゾワッ!

自分で言ってて寒気がした

鈴先輩は、ニコリと笑っていた。

どこか目に光が無い


「……先輩……」


「………」


「………」


「………」


「………」


無言の時間が続く

ゴクッと喉が鳴る、


…冷や汗が止まらないし頭が上手く働かない


「………………フッ」


「へ?」


先輩が爆笑し始めた。


「フフフ、ごめん、フフフフフ!!」


(どっどう言う事だ?

 どうして笑ってるんだ?)

孝介は、理解できなかった。


「…ふぅ、ごめんね余りにも

 こうくんの様子が可笑しくて」


「何で知ってるかよね

 簡単に言うと副会長だから知ってるの」


「副会長だから?」


「うん授業態度とかは、

 先生方に聞いたのこれは、

 生徒会に途中参加するこうくんが

 授業態度とかが悪いと…ね

 勿論私は、疑ってなかったけど」


あぁ確かに途中参加の人間が

授業態度とかが悪いと先生方の

印象が悪いだろう


「でも、テストは?」


「それは、うちの顧問の先生

 こうくんのクラス教えてるでしょ」


「はい数学を教えてます」


「うん、それで用事があって

 職員室で先生と話した時

 机に置いてあるのを偶然見ちゃったの」


「なるほど〜そう言う事ですか

 びっくりしましたよ」


「ごめんね、怖かったよね」


先輩がしゅんとしている。


「いえいえ、そんな事ありませんよ」


そんな事あったんだが目の前でしゅんとしている先輩を見てどうでも良くなった。


「本当にごめん、何かお詫びしたい」


「いやっそんな責任

 感じなくて良いですよ」


「ダメ……そうだこうくん、

 勉強教えるよ」


「えっ良いんですか?」


鈴先輩は、二年の中でも一二を争う成績だ


「うん、正直この後誘おうと思ってたから

 これじゃお詫びにならないと思うけど」


「いやっこちらこそお願いしたいですよ」


「なら明日からしようか」


「はい、よろしくお願いします」


と言う事で二人で勉強する事になった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る