孝介と鈴と勉強②

翌日、休日だった為

自分の部屋で座って

テスト勉強する事になった。


「じゃこうくん準備はいい?」


「はい大丈夫です」


「うん、だったら最初にこれ解いてみてね」


鈴先輩が紙を数枚渡して来た。


「これは?」


「昨日テスト範囲聞いてたから

 それを参考にこうくんが習ってる

 教科の先生が出す問題近い

 テストを作って見たの」


えっ、と顔を上げて鈴先輩を見ると

目元にクマがあった。


「…鈴さんもしかして、

 昨日寝てないんですか?」


「えっ、…上手く隠せたと思ったんだけど」


「自分の為にそこまで申し訳ないです」


昨日の事で罪悪感を持ってしまったのだろう

本当に申し訳ない気持ちで一杯だった。


「謝らないでこれは、私自身作っていて

 楽しくなっちゃって時間を忘れてしまった

 からなの」


「だから謝られても困るだけ

 それよりこれ有効活用してほしいな」


「…わかりました、

 鈴さんありがとうございます」


孝介は、目の前のテストを始めた。

        ・

        ・

        ・

「……うん、できたよ」


先輩がテストの採点してくれ

自分に差し出して来た。


「う〜ん悪い点数では無いんだけど」


テストの点数を見ると60点と

可もなく不可もない感じだった。


「すいません」


「謝らなくていいよ、

 今の実力を把握する為なんだから」


向かい合わせで座っていた

先輩が立ち上がり自分の横に座った。


「え!?」


先輩がこちらに体を寄せてくる

(やばい!やばい!いい香りがするし

 何より腕に柔らかいものが!!)


「じゃ始めようか」


「えっ!?何を!!」


先輩がこちらを見てくる

(近い!…改めて見ても綺麗だな)


「ん〜、じゃ数学から始めようか」


「え、あっそう!そうしましょうか!!」


(何考えてんだ、集中しろ)

孝介は、目の前の勉強に集中する

そうすると余り気になる事はなくなった。




「ふぅ…もうこんな時間か」


鈴先輩と勉強を始めて三時間たっていた。

いつもならこんなにも

集中して勉強できないだけど


(鈴先輩の教え方分かりやすかったな)

先輩のおかげで集中できた。


「ん〜鈴さん、少し休憩しませんか?」


隣の先輩を見ると

コクリコクリと眠りかけていた。


「鈴さん?」


「んっ…ごめん…少し寝てた…」


鈴先輩は、必死に眠気と戦っていた。


「鈴さん眠たいなら寝ても大丈夫ですよ

 お疲れでしょうし」


「いや…大丈夫ごめん」


休んでもいいと言ったが

頑なに、休もうとしない

(ハァ…仕方ないな)


「鈴さん」


「こうくん、私………へッ!?」



ドサッ

自分は、鈴先輩を押し倒した。











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