寧々の過去 ④ 【寧々視点】
「ごめんなさい遅れたわね、寧々」
「詩織、孝介くんは、大丈夫なの?」
私は、部屋に入ってきた詩織に迫る。
あの孝介くんと再開した日から、
数日が経ち詩織から、
孝介くんの状況を話したいと言う
連絡が来て、今現在指定された。
教会の一室にお邪魔している。
「落ち着いて寧々、
貴方が落ち着かない事には、
詳しい話も出来ないから」
「ごっごめんなさい」
私は、一旦深呼吸する。
そうよね私が落ち着かないと
「落ち着いた?
それじゃシスターが来てから、
話すわね」
「わかったわ」
その後、しばらく待ってると
扉が開きこの教会のシスターが入ってくる。
「ごめんなさい遅れちゃった」
「いいえ大丈夫、
それじゃ話しましょうか」
シスターが椅子に座った事で
話し合いが始まった。
「それで…孝介くんは、大丈夫なの?」
「体調って面では、大丈夫ね
ただ精神的なので言うと危険ね
だから言い方は、悪いけど監視する
為に孝介くんは、
この教会に生活してもらってるわ」
そう言って詩織は、シスターの方を見る。
「ええ孝介くんは、
今現在この教会で生活しています。
とてもいい子ですけど
気がつけば架空の誰かと会話したり、
夜になると無意識に
家族を探しながら歩き回ったりしてます」
シスターの言葉に、
私は、衝撃を受けた。
あぁ私のせいだ私が孝介くんを置いて行ったから…
「…そう…なんですね、
…詩織それで孝介くんは、治るのよね?」
詩織は横に首を振り、
「正直わからないとしか言えない
心は、薬では治らないしね
今は、心がストレスに耐えられるように
なるまで症状を緩和させるだけよ」
「そんな…なんとか治せないの?」
「心の傷ってね一生残り続けるのよ治せるものではないわ」
「なら、どうすれば…」
「そうね、やるべき事は、
心の傷をなるべく和らげて、
孝介くんが耐えられる
許容値まで抑え込む事」
そう言って詩織は、
具体的な治療を説明し始めた。
その内容は、難しい所もあったが
詩織が噛み砕いて説明してくれた為
何とか理解することができた。
「…と言う事をして行くわ
これには、周りの人のサポートが必要よ」
「…わかったわ、
それで私は、何をすれば?」
孝介くんの為なら私は、何でもするわ!!
「そうね…寧々貴方は…
孝介くんに近づかないで」
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