母達の会話②【詩織視点】

「…どうしたの?」


「いいえ、

 ちょっとバカ野郎の事思い出して」


「…?」


「そんな事はいいの!!

 とにかく孝介くんに会いなさいって事

 まぁ…今は、微妙かもしれないけど」


「ッ!孝介くんに何かあったの!?」

 

寧々がこちらに身を乗り出して聞いてくる。


「寧々…落ち着きなさい周りに迷惑よ」


「…わかってるわ

 だから、何かあったのか言って頂戴」


ハァ…失敗したわ

寧々は、話しを聞くまで引く気はないわね。


「え〜と、その〜」


「誤魔化さないで」


「いや誤魔化そうとしてる訳じゃなくて…」


あら、口にしようとすると難しいわね

今の状況…日菜が孝介くんの好きで、

孝介くんに対して色々揺さぶってて、


揺さぶられた孝介くんは、

恋心かわからないけど

鈴ちゃんに迫って、


迫られた鈴ちゃんは、

自分の気持ちがわからなくて

困惑しているけど孝介くんとは、

離れる気はない。


…あら?これって簡単に言えば…


「詩織?」


「三角関係よ…」


「三角関係?」

きょとんと寧々が首を傾げる。


「…そう…そうよ!!今、孝介くんは、

 恋の三角関係、

 女の戦いの中心にいるのよ」


「どっどう言う事?

 わたしにもわかる様に言って頂戴」


「だから、孝介くんは、

 青春しているのよ!」


「それ答えになってないわよ…

 つまりどう言う事?

 孝介くんの事が好きな女の子達が

 孝介くんを取り扱ってるって事?」


「そうそう、

 一人は、いつの間にか半同棲で

 ご飯作ってあげてる様だし

 ひっ…いえもう一人は、

 孝介くんのトラウマに触れて

 自分の物にしようとしているわ」


あら、こう言うと鈴ちゃんと日菜

結構やばいわね、

流石は、の子供だわ。


「それは…その子達やり過ぎじゃないかしら」


「あら?そうかしら、

 私達が高校生の時も

 そんな感じだったじゃない」


…懐かしいわね

あの時は、一人のバカを

みんな好きになって喧嘩して…

気を引こうと大変だった。


あっ今はわたし、世界一優しくて

イケメンの旦那がいるからね♡

って誰に言ってるのかしら。


「…そうね、あの時はそうだったわね」


寧々は、あの頃を思い出して

少し悲しそうにする。


「あっごめん…」


私は、寧々に対して謝る。

寧々にとっては、あの日々の結果

最悪な結婚をすることになったのだ。


「…謝らなくていいのよ、

 どう転んでもあの男と結婚することに

 なってたんだし、

 それに、そのおかげで

 鈴が産まれてきてくれて、

 それに…孝介くんにも会えたんだから」


「…寧々…」


寧々は、愛おしそうに笑う。


「それより詩織

 孝介くんは、大丈夫じゃないのね」


「!!、…なんで」


「気づくわよ何年友達やってると

 思ってるの…それで孝介くんは?」


ハァやっぱり隠せないか…

「…正直厳しいと思うわ」



 

 





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