孝介と日菜姉

お客さんも減り、仕事が落ち着いた頃

「孝介、日菜ちゃん休憩入っていいよ」


「了解」


「わかりました、マスター」


孝介と日菜は、

奥の休憩部屋に入り

椅子に座り休憩を始めた


「うーん、疲れた〜」


「お疲れ様、ひな姉

 生徒会も忙しそうだったから

 休んでも良かったんだよ?」

「爺ちゃんも許してくれるだろうし」


日菜は、バツが悪そうに


「い〜や、マスターにも悪いし

 何より……こうちゃんと話せるから」


「ハハ、学校じゃひな姉忙しいからね」


「ハァー、人気者はつらいよ」


日菜は、ニヤニヤしてる


「そうだね、流石光の聖女」


ブッ、日菜は、顔を真っ赤に染める

「なっ!!なんで知ってるの!?」


「光の聖女笑」


「やーめーてー、恥ずかしくて

 泣くよ!

 うう、本当に私泣いちゃうだからね?」


日菜は、悶絶しながらテーブルに突っ伏す


「ひな姉?」


「………」


「ひな姉ってば!」


「……………」


「わかったわかったから、

 ごめんってもう言わないから」

「ほら機嫌直して、何でもするから」


…………ニヤリ

「今……何でもするって言った?」


「あぁ、言ったけど」


ガバッ!

日菜は、悪そうな笑顔を見せていた

「ふふ〜ん

 それじゃ、

 こうちゃんに何して貰おうかな〜」


変わり身早!!

「ハァー、お手柔らかにな」


「うん考えとく♡

 ……それじゃ、仕事戻ろうか」


「あぁそうだね」


孝介と日菜は、立ち上がり仕事に戻った

        ・

        ・

        ・

カランコロン

「「ありがとうございました」」


「孝介、日菜ちゃん

 今日は、上がっていいぞ」


「わかった、お疲れ様」


「はーい、お疲れ様でした

 こうちゃん一緒に帰ろ?」


「うん、わかった」


孝介と日菜は、帰る準備を整えて

店を出る

日菜は、体を伸ばし

「うーん、ふぅ

 さて帰ろっか」


二人で夜道歩いている


「こうちゃん今日どこか寄って帰る?」


「いや、やめとくよ帰ってする事もあるし」


「そっか一人暮らしだから色々大変だよね」


日菜が歩みを止めた


「…………こうちゃん、あのね

 なんで一人暮らし始めたの?」


孝介が、振り返ってみると

日菜は、真剣そう眼差しでこちらを見ている


「え〜と、まぁいつまでも爺ちゃんの世話に

 なるわけにも行かないしさ、

 それにこれからは、

 一人でも生きていける様に……」


「こうちゃん!!」


日菜がこちらに近づき両手で孝介の顔を

包み込みこちらを見つめる


「こうちゃん一人になろうとしてない?」

「もしそうなら私は、許さないからね!!」


「ひな姉、大丈夫わかってるから大丈夫」


「本当に?本当に大丈夫だね?

 絶対君を一人には、しないからね」


「うん、うん、わかってるから

 ありがとうひな姉」


「そう?

 ……わかった信じるわ」


日菜は、顔から手を離し

歩き始めた


「ほら、こうちゃん帰るよ」


「うっうん」


孝介も歩き出し

二人は、帰り道を歩んでいく



 



















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