四章 夢見る星空と恋する花火

プロローグ

「夜空…綺麗だね、こうーー」


「うん…綺麗だ」


俺とお姉ちゃんは、敷物を敷いて寄り添いながら、

満天の星空を見ていた。


「寒くない?」


そうお姉ちゃんに問いかけると

姉は、口では大丈夫と言ったが

手を見ると寒かったのだろう

少し震えていた。


(まったく、我慢しなくてもいいのに…

 仕方ないな〜)


孝介は、自分が来ていた

大きめのコートをお姉ちゃんに肩に被せ

自分は、立ち上がった。


「えっ!?こうーー?」


「ちょっと待ってて」


そう言って、

姉の元を離れある物を持ってくる。


「ごめんね、お待たせ」


「…こうーー、どこ行って来たの?」


「これ持ってきたんだよ」


そう言って、手に持った毛布を

姉にかける。


「これで暖かいでしょ?」


「うん…ありがとう、

 ほら、こうーー、も一緒にあったまろう」


そう言って、自分の手を引いて座らせ

二人で一つの毛布にくるまる。


「…暖かいね」


「うん」


二人は、夜空を見ながら体を寄せ合う


「……ねぇ、こうーー?

 これからも一緒に居ようね」


そう言ったお姉ちゃんの顔は、

星空の光に照らされ何処か儚く消えてしまいそうで怖くなった。


「大丈夫俺は、ずっとそばにいるよ」

そう言って、姉の手を握りしめた。


「こうーー、

 ありがとう『ドーン!!』よ」


お姉ちゃんの言葉は、途中花火の音で途切れてしまった。


「あっ!花火始まったね」


「うっうん」


姉の言葉に相槌を打ち

空を見上げる。


空は、星空の代わりに、

赤色や黄色、緑と

色々な花火が大きく咲き乱れていた。


「…花火綺麗だね」


「…うん」


ヒュー〜〜〜〜ドーン!!パラパラパ

確かに、花火は綺麗だ

…だけど自分には、

隣にいるお姉ちゃんの方が……





四章【夢見る星空と恋する花火】始まります。



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