姉さんがいない

ピーンポーン

「…あれ姉さんいないのかな?」


登校日も終わり、詩織さんの元に

行くために一度帰って来て着替えた

孝介だが、寝不足で具合が悪そうだった


鈴姉さんの様子を見てから行こうと

チャイムを鳴らしたが返事がない


「あれ……スマホも返信こないな」


玄関のドアも閉まっており、

寝ていて気づいてないか、

どこかに出かけているのか?


「…大丈夫かな?」


孝介は、心配だったが

詩織さんとの時間が迫っていた為

その場を離れた。





ミンミンミンミンミンミン


「暑いな〜

 何でこんな暑いんだよ

 詩織さんに日にちずらして

 もらえばよかった…」


孝介は、茹だるような暑さに耐えながら、

詩織さんの家に向かっていた。


「それにしても、姉さん大丈夫かなぁ〜

 早めに帰って様子見た方が」

ピコンッ

「ん?」


スマホの画面を見ると

『後どれくらいでくる?』

と日菜姉から連絡が来ていた。


「あとすこしだよ…送信っと」


孝介が返事を返すとすぐに、

『了解、今日は私も居るから』と返信がきた。


よかった!日菜姉も家にいるんだ

ほっと息を吐いて胸を撫で下ろしていた

孝介の前方から見知った女性が歩いて来た。


「あれ姉さん!?」


「こうくん、

 もう学校は、終わったの?」


「うん、姉さんは…買い物?」


「ええ、

 今のうちに買い物しとこうと思って」


姉さんは、手に持っていた袋を見せる。


「連絡くれたら帰りにでも、

 買ってきたのに」


「フフ息抜きがてらだから、

 …それより今から何処か出かけるの?」


姉さんの言葉で思い出して時計を見ると

結構ギリギリな時間になっていた。


「あっやばい遅れそう!!

 …ごめん姉さん行くね」


「うん行ってらっしゃい」


「行ってきます!!」


孝介は、姉さんに別れを告げて走って去る。


「フフ…こうくん元気ね」














「……やっぱり…嘘……よね」

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