空虚な星空① 【日菜視点】

《数年前》


「シスター」


「あら日菜ちゃんこんばんは、」


シスターは、こちらに気づき振り返って

笑顔で挨拶してくれる。


「こんばんは、

 こうちゃんはどこですか〜?」


それを聞いたシスターが顔に手を当て、

「あらあら、早速孝介くんのこと聞くのね

 私、寂しいわ〜」


「え!…いやその〜はは」


わたしは、苦笑いをしながら口を濁す。

今日、教会に来たのはこうちゃんに会う為だ


今こうちゃんは、マスターの所ではなく

教会に住んでいる。


理由は、詳しくわからないけど

数日前から様子がおかしかったし、

あんな事があったから…


「…孝介くんなら、今寝てるわよ」


「えっ!?」


「さっきまで、孝介くんぼーと

 外見てたんだけど気がついたら

 眠っちゃってたのよね」


そう言ってシスターは、ため息をつくが

何処か安堵したふうにも見えた。


「え〜どうしよう?

 今日、こうちゃんと一緒に花火見ようと

 思って来たんだけど」


うーんどうしようかな〜

こうちゃんが居ないと意味ないけど

起こすのも…でも、

花火は、一緒に見たいなそうすれば

こうちゃん元気になってくれるよね。


私がうーんと悩んでると

後ろの方から、日菜と呼ぶ声が聞こえる

振り向くとお母さんが歩いて来た。


「あれ?お父さん達は?」


「花火大会の会場にいるわよ

 出店で色々買ってからくるって、

 それで日菜は、何を悩んでるの?」


お母さんに今の状況を話す。

「なるほどね、

 でも花火まで時間あるし、

 それまでには、孝介くんも

 起きてくるんじゃない?」


「そうかな?」


「ええだから待ってましょう」


「うんわかった」


パンパン

「じゃあ中で待ちましょうか、

 詩織、日菜ちゃんこちらに」


私とお母さんの話が落ち着く頃を見計らって

シスターが私達を中に招き入れた。







「…こうちゃん…ねてる?」

私は、静かに部屋に入る。


私は、シスターやお母さんから許可をもらい

こうちゃんが寝ている部屋に来ていた。


「どこかな〜あっ…いた」


こうちゃんの近くに静かに移動する。

こうちゃんは、ソファに横になりながら、

スースーと寝息をたてている。


「…可愛い」


私は、そう言いながら

こうちゃんの寝顔をまじまじと見る。


本当に可愛いそれに、

最近どんどん低かった背も大きくなって、

かっこよくなって来た。


「んん…」


あっやばい!起こしちゃったかも…

私は、口を手で塞ぐ


こうちゃんは、モゾモゾと動きながら

寝返りをうったどうやら、

寝返りを打っただけで起きてはない様だ。


ふぅ私は、ホッとしながら、

寝返りを打った時に落ちた毛布を手に取り

こうちゃんに優しくかけた後

ゆっくりと部屋を出た。


「また後でこうちゃん…」








「…お姉ちゃん…」

 

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