第5話 晩餐
何人かの商人へ挨拶を済ませた後、俺は2人目のお目当ての人物の下へ向かった。
「こんにちは、ガルラスさん。」
「おぉ、レオルド様、お久しぶりでございます。それと成人おめでとうございます。」
「うん、ありがとう。こちらこそ、戦争の時はありがとう。」
「いやいや、レオルド様方、ハーンブルク家にはたくさん助けられていますゆえ、気にしないで下さい。」
サラージア王国との戦争の際、エルフ共和国にも協力を仰いだ。エルフ共和国は小島が多く、船の扱いに長けた者が多い。
そこで、彼らにはジオルターンを制圧する部隊の護衛を行なってもらったのだ。
サラージア王国との戦闘は発生しなかったものの、海賊に遭遇した際に力になってくれたそうだ。
エルフ共和国には、パーム油やサトウキビなどを量産してもらっており、今ではハーンブルク領の料理に欠かせない存在となっている。
そしてさらに、エルフ島の方にはハーンブルク領民の中から選抜された家族200名ほどが移民する事になった。
少し申し訳ない気もするが、手当て金を出したりとケアはしている。
結果として、少しずつだが人間と亜人の間にある溝が埋まりつつある。
この前、初めてハーンブルク領民とハワフ島のエルフのカップルが誕生したという話を聞いた。
種族的には大丈夫なのかって疑問に思ったが、
【生物学上は問題ありません。繁殖も可能です。ですが、生まれてくる子供が人間になるか亜人になるか不明です。】
ならなんの問題もない感じ?
【はい、特に問題はありません。】
との事だ。
戸籍をどうするかなどの問題はあるが、まあその辺はお母様が上手くやってくれるだろう。(丸投げ)
最近では、ハーンブルク領内で高く売れるサトウキビに目をつけた商人が何人かハワフ島を訪れたそうだ。
「ところで、ひ孫のスピカは元気にやっていますか?」
「はい、今はシュヴェリーンに新しく作られた学校に通っています。最初は人種の問題もあり戸惑っていましたが、今ではすっかり仲良くなったそうです。今日は、学校が忙しくこのパーティーには参加できないみたいですが・・・・・・」
「そうですか、元気なら問題ないです。」
ハーンブルク領の4大都市に合計で17個ほどの学校が作られた。
6歳から12歳までの初等学校と13歳から18歳までの高等学校で、受験などはなく、ハーンブルク領民であれば誰でも入れる。例外として、シュヴェリーンにある1校だけは、将来を担うリーダーを教育するためのエリート校が作られた。ちなみにこちらは受験ありで、去年の倍率は3倍ぐらいだったはずだ。
そしてそれと同時に、少年兵舎は廃校となりそちらに移動となった。
さらに、ハワフ島のエルフが何人かシュヴェリーンの学校に通う事となった。これも、人間と亜人の関係改善政策の一環だ。
物事を変えたいなら、子供からじっくりと変えていくのが1番だ。
「もう少ししたら、ハーンブルク領の領民がハワフ島に旅行をする日が来るかもしれませんね。」
「旅行ですか?旅行というのは、どういったものでしょうか・・・・・・」
「簡単に言うと、海水浴ですね。ここシュヴェリーンはご存知のとおり周囲に河はあるものの海がありません。そこで、海を楽しむ領民が出る事があるかもしれません。」
「なるほど、海水浴ですか・・・・・・」
「是非考えておいて下さい。我々ハーンブルク家にとって、ハワフ島は重要な土地ですので・・・・・・」
「わかりました。帰ったら皆と相談しておきます。」
✳︎
「監督、お誕生日おめでとうございます。」
「「「おめでとうございます。」」」
「どうも、そっちも今日はナイスゲームだったよ。」
「ありがとうございます。」
次に訪れたのは、サッカー組だ。
ここは、何というか全体的に年齢層が若い。
「こっちも助かっているよ、君たちの活躍が、領民を元気にしている。最近はちょっとRSWとFCTの間で揉め事が多発しているみたいだけど。」
「す、すみません、私達のファンが・・・・・・」
代表してアンが頭を下げた。今や、領民達の憧れの的となっている彼女達だが、ピッチの外ではただの少年少女だったりする。
「まぁその辺はこっちが何とかするから大丈夫だけど、変な奴らに騙されたりしないでよ、君たち。」
「「「は、はい、細心の注意を払っております。」」」
サッカー選手の給料である大金を管理するため、ハーンブルク領では新たにお金の預かり制度を開始した。
手数料はかかるものの、大金を持ち歩く危険性を回避できるという事で、多くの商会も続々と利用を開始した。預かったお金は、ハーンブルク領内で1番安全な場所であるシュヴェリーンの北側にある軍事用禁止区域の中に隠してある。
預金だけでなく、商会などが大金の支払いをする際に数字上でやりとりをするサービスなども開始した。
こちらもかなりの利用者がいる。
手数料はそれほど高くはないが、お陰様でこちらもがっぽりだ。
ちなみにハーンブルク領では、領内予算より収入の方が多い。
「んじゃ、今シーズンもそれぞれの活躍を期待しているよ。頑張ってね。」
「「「はいっ!」」」
俺は、彼らへの挨拶を終えると、最後の要人の下へ赴いた。
________________________
どうでもいい話
私が誤字脱字をした時の対応
初心者の場合
簡単な感想+指摘
中級者の場合
指摘+修正案を提示
上級者の場合
慣れた(´∀`)
補足
コメントやレビュー待ってますっ!
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