第18話 模索

どうでもいい話


休載告知の投稿を消そうと思ったら誤って最新話の方を消してしまい、新しく投稿し直しました。

ごっちゃになってしまいすみません。



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「ベルダルス、そなたは余にハーンブルク軍に下れと言うのか?」


「いえ、停戦をしようというのはハーンブルク軍側からの提案です。彼らとて譲歩して来るやもしれません。」


「なるほど、確かにサーマルディア王国全土を併合できなくても、ハーンブルク領をまるまる併合できるならそれに越した事はないな。」


一言もそんな事は言っていないが、国王は勝手にそう解釈した。

国王の認識では、ハーンブルク側が停戦してくれと泣きついてきていると考えたからだ。

この時すでに、ベルダルスはサラージア王国を裏切り、ハーンブルク側に付く事を決めてあったので、詳しい内容は伝えないでおいた。

それで自分が死んだり計画が頓挫したら元も子もないからだ。


「それで、捜索を命じたライカ将軍の部隊は見つかったか?」


「ライカ将軍の別働隊は見つからず、ハーンブルク軍の指揮官は、ライカ将軍率いる別働隊を殲滅したと言っておりました。」


「ハーンブルク軍に全滅させられただと?そんな馬鹿なっ!」


「ライカ将軍を含め、ほぼ全ての指揮官が戦死し、1万を超える兵士が捕虜となったようです。」


「そんなはずはないっ!」


国王は、慌てふためく。実際は、100名ほどしか捕虜はいないが、この際どうだっていい。

ちなみにこの辺の内容は、レオルドが予想した通りの内容で、返答についても事前に指示してあった。

すると、軍師の男が、王を止めた。


「王よ、今ここで議論しても、ライカ将軍が本当に死んだのかどうかはわからない事です。ひとまず停戦に応じるかどうかを話し合いましょう。」


「それもそうだな。ハーンブルク側からの指定はいつどこになっている。」


「3日後にここから3kmほど南に下った場所でございます。」


「わかった、応じるように伝えてくれ。」


「はっ!」


ベルダルスは、作戦の第一段階が上手くいった事を少し喜びつつ、国王を交渉のテーブルに引っ張り出す事に成功した事を喜んだ。

そして、予定通り3日後、お互いに50名ほどの兵士を連れて、交渉が始まった。


その直前、サラージア王国軍の兵士達の間で、ある噂が広まっていた。

というのも、サラージア王国軍の兵力が既に半数を切っており、敗北は時間の問題だ、という話だ。

どこからどのようにして広まったのかはわかっていないが、おそらく何処かに噂が好きな人がいたのだろう。



✳︎



50名ほどのSHSメンバーを連れて、俺は交渉を行う場所へとやってきた。

全員帯銃しており、いざという時は戦闘ができる状態だ。


日が高く登った頃、同じく50名ほどの部下を連れて、サラージア王国の国王が姿を現した。

名前などは全く知らないが、それなりの地位にあるであろう者たちがぞろぞろと15人ほど並ぶ。こういう場は普通剣を持ち込まないのがマナーだと思っていたが、余裕で持っていた。


【こちらも銃を持っているので仕方がないでしょう。】


まぁ、それもそうか。

対してこちら側は、俺とシェリングさんとリヒトさんとクレアが座る。

そして、背後には銃を構えたSHSメンバーが10人ほどいた。

流石にこの場で殴り合いにはならないがはずだが、念のためだ。


ちなみにベルダルスさんはこの場に参加していない。彼にはやってもらわなければならない事があるからだ。



「余はサラージア王国国王だ。」


開始の間などを待たずに、国王はそう言った。この世界に転生してから、王に会うのは2人目だが、不思議な事にこの王からは全く威厳を感じなかった。

そもそもこの国と敵対しているわけだが・・・・・・


「ハーンブルク軍総大将代理、レオルド・フォン・ハーンブルクです。」


「なんとっ!まだ子供ではないか。」


「総大将であるお母様は現在、後方にいらっしゃいますので、私は代理です。」


この場で1番偉いのは俺なので、代表で挨拶をする。すると、サラージア王国側の全員が俺に驚いた目を向けた。

恒例になり過ぎて飽きてきたが、これで交渉の時舐めてくれるなら安いものだ。


「では其方の言い分を聞こうか。」


すると、まるで勝っているのがサラージア王国側なのかと、誤解するほど威張りながら国王が聞いてきた。


【実際、国王は味方が勝っていると思い込んでいるのでしょう。】


マジかよ。そこから?


【情報網を完全に断ち、孤立させた代償です。こうなったら、なりふり構わず現実を突きつけましょう。】


了解っと。


「サラージア王国国王、あなたはこの戦争、どちらの勝利だと考えていますか?」


「そんなもの、我が軍の勝利に決まっているだろ。どこに負けた要素があるのだ。」


「サラージア王国側の被害は全体の半分以上、対して我々ハーンブルク側は少しも領土を失っておりません。どこに、貴国側が勝利した要素があるのでしょうか。」


実際、戦闘はサラージア王国内で行われた。

それどころか、サラージア王国軍はまだハーンブルク領に足を踏み入れてすらいない。


「なんだとっ!確かに領土は侵略できていないかもしれないが、こちらにはまだ3万もの兵が残っているんだぞっ!」


「すでに5万の兵を失ってまだ戦うんですか?それと、食料が持つといいですね。」


俺は、少しばかり笑みを浮かべながら、呟いた。兵糧攻めをしている俺が言うのも何だが、敵の食料事情はだいぶ深刻なものになっているはずだ。

敵は、王都まで引き返す分の食料も考えなくてはならないのだ。


「食料だとっ?」


「えぇ、サラージア王国内の都市をいくつか落とし、食料の供給線を寸断しました。あなた方にはもう既に戦える余力は残っていないはずです。それと、周辺の村々を周り、あらかじめ住民を避難させておきました。」


「「「・・・・・・」」」


俺の発言に、全員が黙る。

そして、状況をやっと理解した敵さん達は、だんだんと怒りをあらわにした。

俺は、後ろに控えていたリヒトさんに合図を送ると、敵さん達が何かを発言する前に、トドメの一撃を放つ事にした。


ドンという音とともに、サラージア王国周辺の地図を置いた。自然と、全員の視線が集まる。


「赤く塗った部分が、我々の別働隊が既に陥落させた土地です。もう一度お聞きします。どこをどのように解釈すれば、貴国が勝利したのでしょうか。」


地図を見ると、サラージア王国の3分の1近くが赤く塗られていた。

これは、あくまで予測であるが、おそらく実際にもこれぐらいは占領しているだろう。


「こんな事が・・・・・・」

「こんなはずはない・・・・・・」

「そんな馬鹿な・・・・・・」



「現実から目を逸らそうとしているところ悪いが、先に攻撃して来たのはそちらだ。それ相応の覚悟はしてもらうぞ?」



さぁ、ショータイムの始まりだ。



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どうでもいい話


戦争がやっと終わった〜後は戦後処理か〜

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