第4話 衣装
何ていうか、いよいよって感じだな〜
【黄昏ているのですか?】
衣装に着替えるために、一旦ヘレナと別れた俺は、着替えのための部屋へと入った。
メイドさんに着替えの手伝いをしてもらいつつ、俺はアイと会話する。
いやほら、結婚式って何故か不安になるらしいじゃん。
【マリッジブルーと呼ばれるやつですか?】
うん、多分それ。
【ですがあれは、一般に女性が多いと言われていますよ。】
いやいやわからないよ?俺の前世、実は女だったりするかもしれないし。
【いや、それは無いですね。】
いやいや、何で決めつけるんだよ。というか、何でそう思うんだ?
【・・・・・・何と無くです。】
おいおい。
そういえば、前世の俺は結婚をしていたのうだろうか。20歳で死んだという記憶だけは何故か残っているので可能性は低いが、無くは無い。
恋人や家族はいたのだろうか。
まぁそもそも、自分の顔や名前すら思い出せない時点で察してはいたが、やはり思い出す事はできなかった。
【今は考えない方がいいと思いますよ。どちらにせよ、前世の事を知る手段は無いだろうし、あったとしてもできないでしょうから。】
それもそうだな。
そんな、今考えてもどうにもならない事を考えていると、着替えの手伝いをしてくれていたメイドさんが言った。
「これでひとまず終了です。奥様方の方は、もう少し時間がかかるそうなので、こちらでお待ち下さい。」
「わかりました、ご苦労様です。」
「では・・・・・・」
そう言いながらお辞儀すると、彼女は出て行った。おそらく、ヘレナたちの手伝いをしに行ったのだろう。
1人その場に残されると思ったら、入れ違いで1人の執事がやって来た。
「失礼します、レオルド様。お召し物の方は気に入っていただけましたか?」
「はい、とっても。」
リヒトさんは、以前までは俺の専属執事として働いてもらっていたが、最近はハーンブルク家全体の指揮をしている。幼少期は、作法や剣術をほぼ全てこの人に叩き込まれたと言っても過言ではない。それもあって、リヒトさんは俺の事を本当の孫のように扱ってくれるし、俺も最近は実の祖父のように接していた。
さらに彼は、並行してシェリングさんの補佐兼、SHSの統括役もしてくれており、すごくありがたい存在でもある。
「どうですかリヒトさん。自分でも、けっこう似合っているようにも感じますが・・・・・・」
「はい、とってもお似合いでございます、レオルド様。これほど立派に成長なされて、私は感激です。」
「そうか。」
改めて、鏡に写った自分を見つめる。お母様譲りの紫色の髪と青く透き通った目に整った顔立ちに、お母様が選んでくれた真っ白いタキシードがよく似合っている。
そして、その表情からは、自分がとても緊張している事がよくわかった。
「覚悟はできましたか、レオルド様」
「あぁ、all perfectly、問題ない。」
「左様ですか。では、もうしばらくお待ち下さい、家族の皆様を呼んできますね。」
「わかりました。」
それだけ告げると、彼は入って来たドアから出ていった。リヒトさんに見せたいという気持ちがたったので、俺としては満足であった。
✳︎
少し前
「これが今や『世界の中心』と呼ばれる街シュヴェリーン、次元が違いすぎる・・・・・・」
「おぉーやっと来たかゼラスト。」
シュヴェリーンへと訪れたサーマルディア王国王太子であるゼラストを、レオルドの父であるジルバードが出迎えた。
かなり昔から交友関係のある2人は、こうして非公式の場ではお互いに名前で呼び合っている。
「それにしてもすごいな、この街は。」
「だろ?正直、俺は全くと言って良いほど、都市開発に携わっていないが、俺の嫁さんと息子は、どうやらすごいらしいな。」
ジルバードは、シュヴェリーンの凄さをもちろん認めていた。これほど大きくて素晴らしい都市は他に無いからだ。
そして、それと同時にシュヴェリーンは、名義上は自分の街であるものの、自分の功績で無い事も自覚していた。
「いやいや、凄いなんてもんじゃ無い。凄すぎだよ。前に来た時もすごかったが、さらに凄くなった気がする。」
「まぁ確かに、前に来たのは10年ぐらい前の話だもんな。あの時に比べたらだいぶ変わっているはずだ。」
正確な数字は覚えていないが、それぐらいの歳月が経過しているはずだ。
「ところで、あの、所々についている棒は何なのだ?」
「あー電柱の事か?アレを使って、街に明かりを灯しているんだよ。仕組みはわからないが、アレのおかげで重要なところは夜でも明るいぞ。もちろん俺の家にもあるぞ。」
「アレは何なのだ?」
「あ〜アレは・・・・・・」
2人+護衛は、シュヴェリーンの街並みを見学しながらバビロン宮殿へと向かった。
途中、ゼラストが見つけた不思議なものをジルバードが説明しながら・・・・・・
とは言っても、ジルバードが仕組みを知っているものはほぼゼロで、使い方の説明のみだった。
そして、それが余計に、シュヴェリーンと王都サーマルの差をみせつけた。
ジルバードは無自覚であったが、ゼラストの心には痛いほど突き刺さった。
「・・・・・・こりゃ、凄いわけだ。」
「どうした?」
「いや、何でも無い、行こうぜ。」
「了解っ。」
____________________________
どうでもいい話
中途半端な文字数で終わったゃったから、慌てて付け足したのだろうと、勘違いした人へ
正解です。
佐々木サイより。
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