第11話 初夜


お母様に、「お風呂に入って来なさい。」と言われた。

最後に言われたのはいつだっただろうか、もう長い事聞いていないセリフだった。

ふと、考えてみたが、全く思い出せない。

最近こういう事が増えてきた気がする



【何を言っているのですか?マスター。まったく同じセリフを、昨日もエリナ様から言われた気がしますが・・・・・・】


ちょっとちょっとっ!

そこバラしちゃダメな奴。

こ~ほら、アレだよアレ、風流っ!


【では、風流を楽しみたいのですか?ならばなおのこと、大人しく目を開いて今のこの状況を把握するべきかと・・・・・・】


いやいやちょっと待てってっ!

今のこの状況わかってる?

だって今、俺の周りには・・・・・・


「ね、ねぇレオルド、その~気持ちいいかしら・・・・・・」


「あ、うん、ありがたいよ。」


「そ、そう。」


一緒にお風呂に入る事になっただけでなく、いつもは絶対に言わないはずのイレーナが背中を洗いたいと言い出した。特に断る理由もなかったので、了承してみたのだが・・・・・・

可愛すぎかな?

普段なら絶対にこういう事をしないイレーナが、一生懸命に頑張っている姿はとても可愛らしかった。

そして、それだけではない。


「レオルド様、次は前もお願いしてもよろしいですか?」


「え?前も?」


「はい、ダメでしょうか・・・・・・」


俺の目の前に座るヘレナが、少しこちら側に振り返りながら可愛らしい声でおねだりをした。それにこういう時って普通、後ろだけ的なノリになるんじゃないの?


【何を言っているのですか。マスターは新婚夫婦ですよ?このぐらい普通です。】


いや一部のラブラブな新婚夫婦だけだから。


【マスターは、その一部に当てはまらないのですか?】


うぅ・・・・・・

正論の殴り合いでアイに勝てるわけがない事を再認識した俺は、ヘレナのおねだりに答える事にした。


「ま、まぁいいけど・・・・・・」


「あ、ありがとうございます。では前からは少し恥ずかしいので、後ろからお願いします。」


「わ、わかった。」


緊張でいっぱいになりながら、俺は後ろから手を回す。ヘレナの、真白で綺麗な身体を優しく撫でる。


「んっ!///」


可愛らしいヘレナの喘ぎ声に少し興奮しながら、この前作ったボディーソープで身体の隅々まで洗う。

途中何度か、ヘレナが可愛すぎて抱き着きそうになったが、何とか耐えた。


シャワーを使って泡を流れ落とすと、次はユリアとクレアに挟まれながらお湯に浸かった。正直、緊張しているせいでまったくリラックスできないが、悪くない。


普段ならば、隅っこの方で存在感を消しているクレアだが、今日はいつもに増して積極的だった。

自慢の豊かなところを前面に押し出して、俺にアピールしていた。


「御気分はいかがですか、レオルド様」


果たして本当に湯加減の事を聞いているのかどうか怪しいが、少なくとも俺はそう解釈した。


「全然問題ないかな、凄く気持ち良いよ。」


「よ、よかったです、レオルド様」


「う、うん・・・・・・」


クレアは、俺が本当に小さい頃から交流があった幼馴染のような存在だったので、妙に意識している事は確かだ。

少し、新鮮な気持ちになる。


そして、もう1人・・・・・・


「私の方はどうですか?レオルド様」


「う、うん・・・・・・良いと思うよ、うん。」


クレアが右側から、ユリアは左側からくっついて来た。


「他の感想は無いんですか?旦那様」


「あ、えっと・・・・・・凄く可愛くて、綺麗だ。とても良いよ。」


「あ、ありがとうございます。」


小学生のような感想になってしまったが、ストレートに自分の気持ちをしっかりと伝えた。それが正解だったのか、彼女はしっかりと喜んでくれた。



それと、俺は4人の気合いの入れようから、先ほどの話し合いでどのような事を話し合ったのか、すぐに想像する事ができた。

俺も、覚悟を決めなければいけないかもしれない。



✳︎



その後も、4人は交代で隣に座り、少し長めのお風呂を楽しんだ。

準備があるという事で4人は先に上がり、俺は後からゆっくりと上がった。

いつもの和服に着替え、お母様におやすみなさいと伝えると、真っ直ぐ自分の部屋へと向かう。

ドアノブに手を掛ける直前で、俺は中に人がいる事を気づいた。


【中にいるのは、ご想像通りの4名です、マスター】


どうやら、俺の予想は当たったっぽい。


一度深呼吸をし、ゆっくりとドアノブを回した俺は、真っ直ぐ中へと入った。


「あ・・・・・・」


まだ心の準備ができていなかったのか、俺と目が合ったヘレナは、そう呟いた。

俺は気にせず、ベッドの前へと移動する。


「もっと近くで見ていい?」


俺が尋ねると、俺のベッドの上にいた4人はそれぞれ可愛く頷いた。

もう迷いは無い。

スリッパを脱いだ俺は、ゆっくりとベッドに上がる。


ヘレナは黒、イレーナは赤、クレアは白色、ユリアは黄色を基調とした、上下共にフリルのついたレースの下着に可愛らしいリボンがついていて、下のパンツは紐パンという完全な勝負下着を色違いで付けていた。


もちろん、彼女達の左手には、先程プレゼントした色違いの指輪をはめていた。


俺は、4人それぞれと向き合う。


「れ、レオルド様・・・・・・そんなに見つめられると・・・・・・」

「れ、レオルド、少し恥ずかしいわ。」


恥ずかしそうにしながら、ヘレナとイレーナが呟いた。残りの2人も、全力で同意している。


「4人とも、凄く綺麗だよ。」


俺は、4人のおでこに、それぞれ優しくキスをする。そして、俺もその気である事を伝えた。


「あなた、」

「レオルド、」

「旦那様、」

「レオルド様、」


「「「「よろしくお願いします。」」」」



______________________________________


どうでもいい話


ヘレナは黒にしなきゃかなって。




明日の予定

12:00・・・・・・最終話

18:00・・・・・・エピローグ(2、3話同時)

18:15・・・・・・あとがき

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