おまけ6 目指せ運動不足解消
タワマン暮らしに慣れ始め、以前よりもデスクワークが増えた今日この頃、俺と俺の嫁たちはとある問題に直面していた。
「最近、運動不足な気がするな・・・・・・」
「確かにそうね。」
外出する機会は極端に減り、大抵のことをタワマン内で完結するようになったため、最近の俺は運動不足となっていた。子供達はというと学校があったり政務があったりで忙しそうであるが、第一線を退いた俺と俺の嫁たちは、忙しさは相変わらずであったものの、極端に移動する機会が減ってしまっていた。
「何か運動のイベントでもやるか・・・・・・」
「あら、良いわね。最近私も運動不足だなって思っていたし、賛成だわ。」
「じゃあ早速、検討を加速してみるか・・・・・・」
ハーンブルク連邦を代表するスポーツは何か聞かれれば、まず間違いなくサッカーと答えるだろう。ハーンブルク連邦の至るところにサッカースタジアムやサッカー場が建設されており、連邦内で唯一プロが存在するスポーツでもある。特にトッププレイヤーの生涯年収は、小国の国家予算に匹敵するほどの報酬が与えられており、かなりの注目を集めている。
以前は俺もイレーナも、監督として活躍していたが、最近は前線から一歩引いており、運動する機会はかなり減っていた。
そんなわけで、自室へと戻った俺は新たなイベントの開催を計画した。
「運動のイベント、か・・・・・・」
【統計的に連邦国民の体力は現在減少傾向ですので、どうせなら、国中を巻き込んだ大規模なイベントにするのがよろしいかと。】
「なるほど。となると、パッと思いつくのはアレしかないな・・・・・・」
【なるほど、確かに良き案かと。】
俺の思考を読んだアイは、そのように答えた。どうやらアイの方も俺の考えには同意なようで、その場で頷いた。
よし、やるか。
決意を固めた俺は早速案をまとめた上で、種目の設定を始めた。大人から子供まで男女問わず参加できるイベントにしたいので、様々な項目を作ることにした。
「あとは規模をどうするかだよな〜」
【どうせなら、初回は国中を巻き込んで大規模に開催するべきかと。今回はシュヴェリーンのみでの開催予定ですが、上手く行けば来年以降はハーンブルクの各都市でそれぞれ開催ができるかもしれません。まずはノウハウを提供しましょう。】
「サッカー選手をゲストで呼んでも面白いかもな。」
【良き案かと。では早速、具体的な計画を・・・・・・。】
「何やら面白そうな会話をしておりますね、レオルド。」
「お母様っ!」
アイと具体的な計画練っていると、俺の良く知るイベントハンターが、会話に参加して来た。驚く半面、やはりか、と少し納得しながら俺はお母様を招き入れた。
俺はソファから立ち上がり、お母様に席を譲る。
「ノックぐらいして下さいよ、お母様。」
「あまりにも楽しそうな声が聞こえたので、つい。」
「つい、じゃないですよ。」
お母様の相変わらずの対応に呆れつつ、お母様が絡むということは成功が約束されたようなものだと歓迎した。まぁ、たとえ俺1人で運営するとしても、間違いなく成功していただろうが・・・・・・
というわけで早速、俺は計画の説明を行った。現在悩んでいるところのアドバイスを貰いつつ、形にしていく。
「グッズの販売にも力を入れるべきですね。」
「やはりですか?」
「注目が集まれば集まるほど、たくさんの人や物が動きます。今回のイベント、研究所の発明品を広めるいい機会だと思いませんか?」
「っ!確かにチャンスですね・・・・・・」
言われて、お母様の計画を何となく理解した。どうやらお母様の方は、今回のイベントをただのイベントで終わらせるつもりはないらしく俺の想定の、さらに数倍の大きさにするよう提案して来た。損得勘定をしつつ、頭の中でシュミレーションを行った。イメージがまとまったら、次はそれを言語化して共有する。
やりたい事をリストアップして、できる事とできない事を分別した。そして、できる事はその手順を考える。
「各企業や商会も巻き込んで、大きく行きましょう。遠慮する必要は何処にもありません、ここは私たちの国なのですから。」
「・・・・・・それもそうですね。」
そうなのだ。この国は、言うなれば俺たちハーンブルク家の国であり、俺のやりたい放題を咎める人物はいない。
まぁ、正確にはいないこともないが、ここはいないことにしておく。
「よし、こうなったらとことんやってやるか。」
お母様との話し合いによってある程度形になったところで、ヘレナやユリアといったお嫁さん達に告知、その後レンから開催の許可をもらい、実行委員会を組織した。会長はとりあえず俺で、補佐にはお母様とイレーナ、主要メンバーを選び、残りはとりあえず部下に丸投げした。
翌々日の午後までに組織を編成が終わった。組織の主要メンバーは見知った顔が大半を占めており、かなりスムーズにことが進んだ。
そして今日は、メンバー同士の顔合わせが行われることとなった。
「諸君、呼び掛けに応じてくれたことに感謝する。さて、今日君たちを呼んだのは他でもない、秋に開催を予定しているスポーツイベントについての発表と擦り合わせを行おうと思う。」
「「「おぉ〜」」」
「こたくはいいからさっさと進めなさいよ、レオルド。」
反応は上々、1人変なのが混じっていた気がするが、俺はスルーして話を進めた。堅苦しい口調は辞めて、いつもの感じで話を始めた。
「んじゃ、早速発表させて貰おう。今回俺たちがやるスポーツイベント、それはマラソン大会だ。」
________________________________________________
どうでもいい話
こちらの作品の方が新作よりも日間PVが多い件について
けっこう面白いと思うので、是非読んでみてください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます