第12話 嫁入/おまけ

全員揃うと、なかなかにカオスだな・・・・・・


【こちらは楽しくさせて頂いていますよ、マスター。】


くっそ〜俺もそっちに混ざりたい・・・・・・


【しっかりと自分の責務を全うして下さいませ、マスター】


俺が、今目の前にあるこの状況から現実逃避したいと思いながら嘆いていると、アイから煽りを喰らった。俺が、新たにハーンブルク家に嫁入りすることになったリーシャとフィーナの2人を出迎えている間、アイは隣の部屋で子供たちの面倒を見ていた。アイ曰く、子育てが最近の彼女のマイブームらしく、今日も顔合わせが行われている間、子供達のお守りを担当していた。

なんか、俺を超える逸材を育て上げる事を目標に英才教育を施しているらしい。ほどほどにして欲しいところではあるが、俺が安心して隠居生活を送れるように頑張って欲しいところでもある。俺がこの世界で最も信頼している存在であるアイならば、きっと大丈夫だろう。


話を戻すと、俺の目の前では今現在、妻同士の穏やか?な話し合いが行われていた。


「私たちからの条件はただ一つ、政略結婚ではなく恋愛結婚であることです。私たち4人は、それぞれレオルド様を好きになってから結婚しました。きっかけはみんなバラバラでしたが、みんなレオルド様を愛しています。」


・・・・・・俺は一体どのような表情でこの顔合わせに臨めばいいのだろうか。

ちなみにお母様はというと、何も言わずに、ニコニコしながらみんなを眺めながめていた。絶対楽しんでいるよこの人・・・・・・


「ですから、あなた様方が本当にレオルド様に好意を持っているならば、私はレオルド様の正妻として、今回の結婚を許可しようと思います。」


俺は、昔の思い出を振り返りながらヘレナの話を聞いていた。最初のきっかけは、政略だったり監視役だったりであったが、最終的には全員と恋愛結婚を行なった。子供も産まれたし、今では幸せな結婚生活を送っている。

そんな彼女だからこそ、結婚後の事を心配しているのだろう。


「お二人は、レオルド様を愛していらっしゃいますか?」


「「私は・・・・・・」」


ヘレナの言葉は、2人の心に強く・・・・・・

「今はまだ、私は恋愛というものがよくわかっていません。ですが、レオルド様と共にこの国を良くしたいという想いは本当です。」

「私も、お姉様と同じ想いです。私たち姉妹は、全身全霊を持ってこの世界のために力を捧げるつもりです。」

刺さらなかった・・・・・・


2人の心は既に決まっていた。自分のやるべき事を明確にさせた上で、彼女たちはここを訪れていたのだ。俺の認識が甘かったことを認めざるを得ない。


「そうですか。ではこれから、末長くよろしくお願いしますね、お二方。」


「「はいっ」」


彼女たちは、元気よくそう返事をした。

2人ともまだ恋愛感情はないようだが、これから先、みんなと力を合わせてやっているような気がした。というか、できなきゃ俺が困る・・・・・・

家庭内に問題を抱えたくないし・・・・・・


「レオルド様、一度席を外して頂いてもよろしいですか?」


「いいけどどうして?」


顔合わせも終わった事だし、早速今後の世界についての話し合いをしようと思ったのだが、突然のヘレナの要望に疑問に思いながら頷いた。


「少し、私たちだけで話し合いたい事がありますので・・・・・・」


「あ、あぁ、わかった。じゃあ俺は子供達と遊んでくるよ。」


「お願いします。」


俺は、言われた通り席を立った。何を話し合うのかはわからないが、きっと必要な事なのだろう。暇になった俺は、宣言通り子供達と遊ぶことにした。





女が3人集まるとかしましい、とはよく言うがその通りであった。


「その時レオルド様がこう言ったんですよ。『俺は後悔してしていない、後悔するつもりもない。それに、俺はお前を幸せにしたいと思っていたからな、それが少し早まっただけだ。』って、あの時は凄く嬉しかったのを覚えています。」


「私の時は、初めて会った場所と同じところで、ストレートに結婚してくれって言われましたね。私も、あれは一生の思い出です。」


今の話をマスターが聞いたら、恥ずかしさのあまり爆発してしまうんじゃないかと思いながら、私は彼女たちの会話を聞いていた。

入れ替わりで私も奥様方の女子会に参加するように言われたが、私は正直子供達の方にいたかった。でもこれは、マスターからの命令、従わないわけにはもちろんいかない。


彼女たちの幸せがマスターの幸せである以上、私が協力しないわけにはいかない。だが、少しだけ、ほんの少しだけ私は別の感情を持ち合わせていた。


この感情は、一体なんなのだろうか。

最近の私は何か変だ。


私は、マスターの固有魔法、なはずだ。


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どうでもいい話


私のところにドラえもんが来ないという事は、過去に戻る事を人為的に引き起こす事は不可能、もしくは可能になる前に人類は絶滅したという事なのでは?


と、そんな事を考えながら執筆した今話です。

あ、ちなみにこの章はこれで終わりです。

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