第4話 布教

「サッカー、確かハーンブルク領で流行っている、スポーツというやつですよね。」


「えぇそうですよ、お姉様。ハーンブルク領とその周辺の国々で人気な人々の娯楽でございます。私も一度、レオルド様に勧めらてサッカー観戦させて頂きましたが、とても楽しいものでした。」


ダウトっ。

俺は知っている、フィーナは最近サッカーにはまりまくっており、毎週どこかしらのサッカースタジアムに通っている事を・・・・・・

まぁ、しっかりと仕事をしてもらえてる分には全然問題ないので放置していた。


「つまりレオルド様は、このサッカーというものを人間と亜人の架け橋にしようとお考えなのですか?」


「まぁ、簡単に言えばその通りだ。」


【マスターお得意の、サッカー外交ってやつですね。】


その内この世界でも、世界中を巻き込んだサッカー大会が開けるかもな、ワールドな大会が・・・・・・


【銃ではなく、サッカーボールで世界大戦ってわけですね。】


西方統一同盟内で大会を開くのも面白いが、世界大会はもっと面白いだろう。

この案の目的は、戦争から意識を逸らす事にある。スポーツの魅力を全世界に普及させてこの世界の娯楽を増やせば、その分だけ戦争を遠くの存在にする事ができる。

そしてそれが、平和へと繋がるというわけだ。


【サッカー発祥の地なのに負ける、なんて事にならないといいですね。】


ははは、ブリカスの二の舞いになんてなるわけないだろ。


【所々似ている所はありますけどね・・・・・・】


「そういうことでしたら、わが国も協力できるかもしれません。まずはわが国にサッカーを広める事から始めましょうか。」


「ぜひよろしく頼むよ。サッカーの普及には、政府機関の協力が必要不可欠だからな。」


「えぇ、是非協力させて下さい。それに私も、そのサッカーとやらに興味がありますので・・・・・・」


「そうか、それは期待できそうだな。」


とりあえずは、サッカーボールやゴールを大量に輸出するところから始めてみようという事で話はまとまった、サッカースタジアムの建設はその後だ。

これでおそらく、あっという間にこの国をサッカーが支配するだろう。


「話はまとまったみたいだし、そろそろ帰るかイレーナ」


話し合いを終えた俺は、席を立った。もうここに用はない、華麗に退散させて貰うとしようか・・・・・・


「ええそうね、さっさと帰りましょうか・・・・・・」


俺の意図が上手く伝わったのか、彼女も同じように立ち上がった。

俺とイレーナは夫婦、考えている事はどうやら同じなようだ。


ファルティオン王家姉妹に背を向けた俺は、会議室の扉に手をかけた。

その直後・・・・・・


「ちょっと待って下さいっ!」


「どうした?サッカーボール代なら安くしとくから安心しろよな。」


「いいえ違います、『世界の警察』についてです。というか、『世界の警察』の具体的な内容についてまだ何も話しておりませんよね・・・・・・」


ちっ、気付かれたか・・・・・・

隣にいたイレーナも、俺と同じように分かりやすく肩を落とした。

どうやら、上手くスルーすることはできないらしい。仕方がないので、再び席に戻った。


「あ、バレた?」


「詰めが甘かったようね、レオルド」


「もうちょっと上手くやるつもりだったんだがな〜」


正直言って、大陸各地に残る様々な問題の仲裁役を全部引き受けるというのは面倒過ぎる。だからその辺は、ファルティオン王国側に頑張って貰って、ハーンブルク領に利益がある事だけサクッと解決しようと考えていたが、どうやらそう簡単にはいかないようだ。


「はぁ〜しゃーない、第二ラウンドも頑張るか。」





その後俺たちは、とりあえず大陸に残っていら問題のリストアップを行った。

その結果、この大陸に残っている問題の数は俺が想像していた量よりもずっと多いという事がわかった。

ざっと想像の2倍、つまり面倒さも2倍というわけだ。


例えばガラシオル帝国とパラス王国の問題、終戦し賠償金の受け渡しは終わったが、人々の心から完全に消えたわけでは無い。そしてそれは、人間と亜人の境界線付近に住む者たちも同様だ。

また、一般的に亜人達はお互いの種族を尊重し助け合う。それ自体は間違っていないが、その法則が当てはまらない者達も多く居るという事もわかった。例えばエルフ、彼らは基本的に他者との交流をしようとしない。だから、目の前で亜人が倒れていても、おそらく人間の場合と同じ対応をとる。

そしてもちろん、亜人達の中にも様々な問題があるらしい。


餅は餅屋って言うし、亜人の事は亜人に任せた方がいいんじゃないのか?


【亜人という呼び方は人間かそうじゃないかで区別した呼び方です。同じ亜人でも、全く違う種族と認識すべきです。】


言われてみればその通りだな・・・・・・


【ファルティオン王国は多種族国家なので、ある程度亜人間で発生するトラブルの解決方法を知っているかも知れませんが、それはおそらく万能ではありません。マニュアル化は難しいでしょうね】


ですよね〜


さて、どうしたものか。


______________________________

どうでもいい話


嘘ん、予約投稿したはずが、出来てないじゃん!

やべっ!急いでしなきゃ!←今ココ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る