追究編

第1話 河口

第8章も引き続きよろしくお願いしますっ!



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「思ったよりも時間がかかったな・・・・・・」


「ここからデュークス島まで、どれぐらい離れていると思っているのよ。むしろ彼らは、いち早く軍事物資を前線に運ぼうと頑張ってくれたわ。」


「それもそうか・・・・・・」


長期戦になる可能性も十分に考えられたため、武器や弾薬、食料などの補給のために一度デュークス島に戻った『マウントシリーズ』の2隻が、再びマルカトへやってきた。


普段は揚陸艇などを積んでいる部分にも物資を積めたため、一度に大量の物質を運ぶ事ができるタンカーのような役割を果たしていた。

その中から、必要な分だけ陸に下ろして、新たにハーンブルク家の領土となった『ユトラ半島』の軍事拠点化を行った。将来的には、軍港として利用できるように改造するつもりだ。


民兵となってハーンブルク戦に参加した者たちも含めてハーンブルク軍の捕虜となった者は、ほぼ全員鉱山送りとなった。彼らの財産は全て没収した上で、『ユトラ半島』の開発費の足しにした。おそらく、30年ぐらい真面目に働けば、出られるだろう。

彼らの使っていた武器は、全て回収する事にした。ボロボロになっていた物も多かったが、使い道があったからだ。



「それで?結局ユリアは付いてくるでいいんだよな。」


「はい、私もレオルド様の妻として、どこまでも付いていきます。」


嬉しそうに俺の腕に抱きついたユリアは、上目遣いをしながら告げた。


「一応聞いておくけどエラリア王国は?」


「そちらは問題ないです、1年間なら私がいなくても大丈夫にしていきました。」


まじかよ。


【賞賛に値しますね。やはり、マスターの目に狂いはありませんでした。】


おう、もっと褒めていいぞ。


【・・・・・・】


おいおい。


振り返った俺は、4人の少女に告げる。


「んじゃ、そろそろ行くか。」


「「「「はいっ!」」」」


ギャルドラン王国首都マルカト上陸からおよそ1ヶ月後、ハーンブルク海軍の主力である、第一艦隊、第二艦隊、第三艦隊は同時にハーンブルク軍の仮の軍港がある『ユトラ半島』を3手に分かれながら出港した。

ちなみに、ハーンブルク海軍のうち、船速が極端に遅い帆船の3隻については、乗組員達とともに『ユトラ半島』に待機させる事となった。



✳︎



レオルドが率いる艦隊は、『ユトラ半島』を出港後、新たにハーンブルク家の領土となった湾岸都市『トモタカ』に到着した。

内わけは、レインシリーズ5隻とマウントシリーズ2隻、黒船4隻といった大艦隊だ。


事前に連絡が行っていたはずだが、やはりハーンブルク海軍の軍艦を初めてみた『トモタカ』の市民達は、驚いていた。


「・・・・・・なんか、リバスタでヘレナと会った時の事を思い出すな。」


「あの時の事は、私もよく覚えています。」


4、5年前、新たにハーンブルク家の領土となったリバスタを視察に来たら、何故かヘレナがハーンブルク家で暮らす事になった時の話だ。

そして、あの時は陸から船を眺める立場であったヘレナが、今では船から陸を眺めていた。

反対側にいたイレーナが口を挟む。


「かなり栄えた湾岸都市って聞いていたけど、あんまり大した事ないわね。」


「イレーナさん、そんな事ありませんよ。これでも、昔のエラリア王国の王都と同等ぐらいです。」


「ダメだわ、何処かの誰かのせいで私も感覚が麻痺しているみたい。」


何処かの誰かのせいとか言いながら、しっかり俺の身体を掴んで振り向かせた。


「え?俺のせい?」


「あなたとは一言も言っていないわ、否定はしないけど。」


おい、もうそれほぼ言っているようなもんだろ、とツッコミを入れたくなったが、一応スルーしておく。

船を降りた俺は、早速軍に軍事拠点と軍港の建設を行わせた。とりあえず、来週に行われる講和会議の調印式まではここにいるつもりなので、ある程度都市を整えておこうと判断した。


俺としては、将来的にはテラトスタやジオルターンのような大都市に発展する事を想定している。占拠すればそれよりも東側を完全に掌握できるデュークス島も大切だが、アルバス河の河口であるここも十分大切なのだ。


というわけでとりあえず、じゃんけんで勝ったユリアとともに、ここを治めていた元貴族の屋敷へと向かった。普通なら、向こう側がこちら側に出向くのが普通だが、俺はあえて逆を選んだ。


「ようこそいらっしゃいました、レオルド・フォン・ハーンブルク様、主が客室でお待ちです。」


「案内してくれ。」


「かしこまりました。」


超カッコいい執事さんに案内されて、俺はこの屋敷の客室へと足を運んだ。ちなみに、ユリアの護衛としてメイド服姿のクレアが付いてくれている。


「初めましてレオルド様、私がこの町を統治しておりました、デリマシア伯爵です。」


「どうもデリマシア伯爵、ハーンブルク家次期当主レオルド・フォン・ハーンブルクです。」

「妻のユリアです。」


「本日は足を運んでいただき、どうもありがとうございます。では早速、湾岸都市『トモタカ』の今後について話し合いをしましょう。」


「はい、お願いします。」



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どうでもいい話


この作品の、略称を募集します。

何かいいのないですかね。


『戦メイ』とか?

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