第16話 準備
「・・・・・・結婚式って大変なんだな。」
【領民の結婚式であれば、それほど大きくありませんが、マスターほどの有名人であれば、盛大になります。】
そりゃそっか。
「レオルドっ!ちょっとこっちに来なさいっ!」
「わかった~」
今日は、お嫁さんたちと一緒に結婚式の準備をすることになった。ヘレナ、イレーナ、ユリアの3人はそれぞれ自分用のウエディングドレスを用意していているそうだが、クレアだけはもちろん違った。というわけで、みんなでクレア用のウエディングドレスを選びつつ、結婚式の準備を始めたのだ。
ちなみにだが、俺にはみんながどんなのを着るか教えてくれなかった。そういうものらしい。
というわけで、俺は参加者の把握や料理の手配など、パーティーの準備を行なっていた。
ちなみに、早く決め終わったイレーナは、俺の手伝いをしてくれている。みんなと一緒に服選ばなくていいの、と聞くと、今なら独り占めできるからこっちの方が良いらしい。
というわけで結婚式の準備を早速始めたわけだが、この世界で結婚パーティーに参加したのは1回しかないので、この世界の結婚式がどんな感じになのかよくわかっていなかった。
そこで、俺の周りの人達にどんな事をしたいか募集したのだが・・・・・・
「えっと〜誰だよこれ『結婚記念サッカー親善試合』って・・・・・・。いや、こんな事考えるのは1人しかいないか・・・・・・」
と、半分予想しながら、名前の欄を確認すると、予想通りお母様の名前が書いてあった。
あの人ハマりすぎでしょ。
【領民をバビロン宮殿内に入れるわけにはいきませんので、スタジアムを使って領民にもお祭り気分を味わってもらおうという作戦なのではないでしょうか。】
「う〜むわからなくはない。あとはスポーツ振興課に丸投げするか。」
「それがいいと思うわ。」
以前、ハーンブルク領にサッカー以外のスポーツが誕生した事をきっかけに、『スポーツ振興課』が誕生した。
サッカー場以外にも、野球場やバレー用のコート、水泳用のプールなんかが誕生した。さらにそれらをやる為の道具、例えばバットやグローブなどを作る産業が誕生した。
今では、領外にも輸出されておりかなり儲かっているという話を聞いている。そして、その噂を聞きつけた人々がハーンブルク領を訪れる事によって、どんどん人気が高まる。
そして、それらを統括するのが、『スポーツ振興課』だ。お試しで作ってみたが、かなり好印象らしい。
大会などを主催するだけでなく、サッカー教室やスイミングスクールなんかも実施しており、お金はかかるがハーンブルク領の領民か、ジア連邦共和国の連邦市民なら誰でも通う事ができる。
また、学生に人気な就職先としても確立している。
「これは、街の警備隊と相談しなきゃだな〜」
次に手に取った資料は、パレードの際の警備体制についての資料であった。
パレードの順路は既に公表してあるので、計画的な犯行が行われる危険性がある。狙撃程度なら避けれるが、ナパーム弾のような爆弾をやらられば、回避は難しい。
当日、そのようなテロが起きない事を願うばかりだ。
「警備隊にハンドガンを持たせればいいんじゃないの?」
「いやいや、街中で銃をぶっ放すわけにはいないだろ。」
ハンドガンだって、十分殺傷能力がある。SHSは標準装備として全員持っているが、警備隊には必要ないだろうと判断している。
近接戦闘用の武器があれば十分だろう。
「確かにそうね。ならそこは、SHSに工夫してもらいましょ。」
「ちょっと丸投げな感じもするが、仕方ないか。」
「ええそうよ、何たって私達の結婚式だもん。私達は楽してもいいはずよ。」
イレーナは、嬉しそうに笑った。こんな笑顔を見たのは、久しぶりな気がする。
俺は、隣に座るイレーナに、気になった事を聞いてみる事にした。
「そんなに楽しみなのか?」
「当たり前でしょ?昔から、ずっと夢見ていたんだから・・・・・・って、何言わせてんのよバカっ!」
言いながら、恥ずかしくなったのか、俺を攻撃してきた。
「イタッ!おい、マジ殴りすんなよ。」
「ふんっ!私の夫なら、これぐらい躱しなさいよね。」
「無茶言うなよ。」
割と本気で痛かったので、抗議しようとしたら、俺の政務室の扉がノックもせずに突然開いた。
突然の事で驚いたが、俺の部屋にノックをせずに入ってくる人物など、イレーナか、この人しかいない。
「お父様、どうしたんですか?」
「おう、レオルド。相変わらず嫁さんとイチャイチャしているようだが、今暇か?」
「は、はい。一応暇です。」
『イチャイチャ』という単語に反応したのか、イレーナの顔が若干赤くなった気がしたが、俺は気にせずお父様に返事をする。
すると、今度はお父様が俺たちに、いや俺に爆弾を落とした。
「なら単刀直入に言おう。俺は、レオルドが15歳になったタイミングで、家督を譲ろうと考えている。これからは、嫁さん達と力を合わせて頑張れよ。」
「え?は?」
言っている意味がわからず、困惑する。
だが、俺の聞き間違いじゃなかったようだ。
「来月からは、お前が当主だ。」
「ちょ、待っ・・・・・・」
「しっかり頼むぞ、じゃーな。」
俺の制止も聞かず、告げるだけ告げて、外に出ていった。
おいちょっと待て、嘘だろ?
【おめでとうございます、マスター。領主に昇格ですね。】
聞き間違いじゃなかった〜〜
おい、5秒と経って無いぞ。
もしかしてこれ、もう既にお母様に話を通してある、パターンじゃ・・・・・・
【おそらくそうですね。既にエリナ様が了承している可能性は限りなく高いです。】
終わった・・・・・・
いや、始まってしまった。
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どうでもいい話
どうすればPV数が増えるか、悩み中。
なんかいい案ないですか?
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