2.2 空蝉との一夜
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
この時代は占いや陰陽道なども信じられていて、その日は源氏の君は方角的に葵の上の家には行ってはいけない日だったのね。
そこである貴族のお屋敷に泊めてもらうことになった源氏は他にも今日そこに泊まっている人達がいることを知るの。
女性達の話し声が近くの部屋からしてくるから、こういう人たちが昨日頭中将たちが話していた中流階級の人たちなのかと思ったらしいの。
お屋敷の主の
「そんな若い女性がキミの継母なの? ちょっと可哀想だね」
そんな風に源氏は紀伊の守をからかうの。
寝付けなかった源氏は話し声が聞こえていたあたりの部屋へ行ってみるの。
「お客様はお寝みになられたの?」
「お寝みになられたよ。評判の方を見たんだ。ほんとうに美しい方だったよ」
姉弟で話をしているみたいで、さっき話に出た伊予の介の後妻とその弟だってわかるの。少しのあいだ話をして弟は別の所に寝に行ったの。
「中将はどこかしら?」
ひとりになった女性が女房(女性の召使のこと)を探しているみたい。
「中将を呼んだのは俺の気持ちが通じたからなんだね」
源氏中将がそう言って寝室に忍び込むの。
「俺はね、ずっと前からキミのことが好きだったんだ。やっと逢えた」
そんな風に源氏は彼女を口説くけれど、彼女は驚いて抵抗しようとするの。
「出来心じゃないんだよ。俺の気持ちを聞いてほしいだけなんだ」
源氏は彼女を抱き上げて連れていこうとすると、さっき彼女が探していた女房の中将が戻ってくるの。彼女を抱き上げている男性が源氏だってすぐにわかるんだけれど、大騒ぎしては彼女の不名誉になるし、女房ひとりでは源氏の行動を止められないの。
「夜明けにお迎えに来て」
源氏は女房にそう言って襖をしめてしまったの。
ふたりきりになると源氏は女子なら誰でもトキメクような胸きゅんフレーズで彼女を口説くんだけれど、彼女の態度は頑ななの。
「私のような低い身分の女は何をしてもいいと思っていらっしゃるのね」
でも結局、ふたりは一夜を一緒に過ごしたの。
To be continued ✈✈✈
◇「初めて知った女の人、しかも人妻さんのことを『ずっと前から好きだった』ってなにそれ――!」
そうなんですよね。
身分も高く、イケメンで、若くてモテモテだったから「俺が口説いて落ちないオンナなんていないだろ?」くらいの勢いだったのかしら?
「いくらイケメンでもそれはちょっとなぁ。いやイケメンだから許されちゃうの?? ううぅぅん。でもやっぱりダメだと思う!」
NEXT↓
2.3 ヒトヅマに恋?
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語のご案内
このエピソードに出てきた「方違え」のことが書いてあるよ。
☆源氏の世界 ④物忌みと方違え
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054881838917
今もあったら面白いかも。あ、でもタイヘンか……。
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