35.2 源氏の周りの人びと 

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 そのころ髭黒の娘の真木柱まきのはしらと蛍兵部卿宮(源氏の弟、玉鬘を口説いていたヒト)が結婚したの。だけど、蛍兵部卿宮は亡くなった奥さんの面影を求めていて、真木柱が似ていないと判るとあんまり通ってくれなくなるんですって。髭黒も娘があまり幸せでないことを残念に思うのね。


 そして4年ほどの年月が流れて冷泉帝が譲位するの。このとき冷泉帝が28歳、源氏が46歳。帝に即位してから18年が経っていたの。帝には帝位を譲る男の子がいなかったのでこれからは気楽に愛する人たちと暮らしたいっておっしゃるの。源氏は冷泉帝に跡継ぎ(男の子)が産まれなかったことを残念に思うの。冷泉帝が藤壺の宮との罪の子であるってヒミツはバレなかったけれど、えにしは繋がらない運命だったんだなってひとりでひっそり感慨にふけったんですって。

 そして冷泉帝の退位によって東宮さまが即位して明石女御の子が次の東宮になるの。太政大臣(元内大臣)も引退して、髭黒が右大臣に、夕霧が大納言に、柏木は中納言に昇進するの。


 六条院では源氏が女三宮を大切に接しながらもやっぱり一番愛しているのは紫の上なのね。それに紫の上は女三宮とも仲良く交流しているみたい。それに紫の上はそろそろ自分もトシなので出家して尼になりたいわって源氏に話しはじめるの。


「冗談だろ? 俺が出家したいのにキミが心配でしていないんだよ?」

 源氏は紫の上の出家を認めたくないの。


 明石女御さまは明石御方のことを本当の母親と敬っていて、その明石御方は謙虚に女御さまの後見役に徹している様子がとても立派なのよね。そのお母さんの明石の尼君は(ひ孫が春宮になったので)あまりの幸せにうれし泣きしているんですって。





To be continued ✈✈✈


◇明石女御さまが産んだ若宮さまが春宮になりました。いずれ帝になるでしょう。

明石御方は「帝のおばあさま」、明石の尼君は「帝のひいおばあちゃま」ですね。

明石入道が夢見た「一族の繁栄」が叶いますね。


「明石一族は幸せになれたね。明石さんはいろいろ悩んだし辛い想いもしたけれど頑張ったね。よかったね」


 一方紫の上は気にかかる子供もいないし、六条院の女主は正室の女三宮だからそろそろ出家したいわと源氏に打ち明けます。


「紫ちゃん、傷つきまくってるもんね。疲れちゃっているよねぇ」





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35.3 明石一族の繁栄と紫の上の嘆き








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