16.2 ふたりの想い出
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
源氏が石山寺から京に戻る日に
そんな右衛門佐のことを源氏は責めたりもしないでもう一度お姉さんに手紙を渡してほしいと頼むの。
~ わくらはに 行き逢ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ梅 ~
(逢坂の関で偶然キミに逢えたらどんなにいいかって思うけど、やっぱ会えないよね)
「キミのダンナが羨ましくて忌々しいよ」
源氏の歌と手紙はこうだったの。長い間連絡もとらなかったけれどずっと心ではあなたのことを想っていたなんて書いてある手紙を見て空蝉はもう年もとっちゃったし恥ずかしいわって思うんだけれど、やっぱり心はときめいて返事を書くの。
~ 逢坂の 関やいかなる 関なれば
(逢坂の関なんて名前のここだけれど、あなたとは会えなくて嘆いているの)
源氏にとって空蝉は自分の気持ちを受け入れてもらえず恨めしくもあったし、それでもやっぱり恋しくて愛しく想っていたから、ときどきは手紙を書いたみたいね。
そんな頃に空蝉の夫の常陸の介が亡くなるの。最初のうちは常陸の介の親類も面倒を見てくれていたんだけど、しばらくすると常陸の介の息子の河内の守(以前の紀伊の守)が下心まる出しで空蝉に言い寄ってくるの。常陸の介とは年の差婚だったから息子と空蝉は同世代なのね。(空蝉は常陸の介の後妻さんだから河内の守とは血は繋がっていない)
空蝉は河内の守との結婚を嫌がって出家して尼になってしまったの。
第十六帖 関屋
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~ わくらはに 行き逢ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ梅 ~
源氏内大臣が空蝉に贈った歌
~ 逢坂の 関やいかなる 関なれば
空蝉が源氏内大臣に返した歌
◇第十六帖関屋でした。
episode16 逢えなくても好き 関屋
16.1 空蝉京に戻る
16.2 若いころの恋の想い出
このとき再会はできなかったけれど、いい想い出としてお互いのことを想っているという感じでしょうか。その後尼になった空蝉は源氏の二条院の東の院で暮らすようになります。初恋ではないけれど若い頃の瑞々しく青い恋の想い出といったところ? かしらね。
ここで不思議なのが夫が亡くなったあと源氏が動かなかったことです。知らなかったのかしら? ダンナと死別したあと口説いてきたのは義理の息子でした。それがイヤで空蝉は尼になってしまいました。この後、源氏が引き取って自分のお屋敷(二条院)に呼んであげます。
「そうだよね。ダンナさんが亡くなったんだったら再婚できたんでしょ?」
そうなんですよね。あまり身分の高くない受領(県知事)の訃報は源氏には届かなかったのでしょうか。
「隠れ両想いが本当の両想いになったかもしれなかったのにね」
NEXT↓
episode17 世界にひとつだけの 絵合
17.1 秋好の入内
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語のご案内
空蝉さんエピソードのトピックスだよ。覗いてみてね。
topics9 ボーダーラインはどこかしら?
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054883444212
うん、本当にね。罪の関係なのかそうでないのかの違いがよくわからないよ。
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