17.3 コレクション対決!

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 権中納言は現代風の、源氏は古風アンティークの絵を揃えていて宮中でも話題になるの。

 そんな噂は女院のところにも届いていて、女房たちを二組にわけて絵の評論合戦をする遊びをしたの。それを聞いた源氏は冷泉帝の前でも同じことをして勝負をしようと思いつくの。


 いよいよコレクション対決の日、源氏の梅壺女御チームと権中納言の新弘徽殿女御チームに分かれるの。梅壺チームは赤を主体の衣装で、弘徽殿チームは青を主体にした衣装で揃えたの。審判は源氏の異母弟の蛍兵部卿宮がすることになったの。それぞれの女房が自分のチームの絵のいいところを言い合うの。ディベート合戦ね。お互いの絵がそれぞれに見事でなかなか勝敗がつかないの。そんなときは御簾の奥からご覧になっている女院(藤壺の宮)さまがさりげなく梅壺チームの見方をするの。

 そうしてすっかり夜になってしまってお互い最後の絵を見せるの。梅壺チームはあの源氏の描いた須磨の絵を出したの。今は政界でも出世して成功している源氏だけれどこんな寂しいところで苦労していた時期もあったんだなってみんなが涙を流して感動したの。結局この絵で勝敗がついたの。後宮の女御さまたちの争いっていうとドロドロしたものになりがちだけれど、この素敵な絵の対決はしばらく伝説のように語られたんですって。勝ちの決め手になった須磨の絵は源氏が女院に献上したのよね。


 絵の勝負には負けた権中納言は冷泉帝の中宮の座も梅壺にとられるんじゃないかって焦るの。でも普段は冷泉帝と娘の新弘徽殿女御は仲良しだし、まぁ大丈夫かって安心もするの。

 一方の源氏は自分の成功を喜びながらもそろそろ出家して仏道修行でもしないとな、なんて思い始めて郊外に御堂みどうを造り始めるの。でも子供達の行く末も気にはなるし、すぐに出家、というわけにはいかないんだけれどね。


第十七帖 絵合


To be continued ✈✈✈


◇第十七帖絵合でした。

episode17 世界にひとつだけの   絵合

17.1 秋好の入内

17.2 源氏VS頭中将

17.3 コレクション対決!


 見た目は優雅な絵の論評会でしたが、源氏と権中納言はこれから始まるであろう中宮(皇后)争いを意識していますね。


「そっか、皇后さまはひとりしかなれないんだもんね」

 そうですね。桐壺帝の中宮は冷泉帝のお母さんの藤壺の宮でしたね。冷泉帝は誰を中宮に選ぶのでしょうね。



NEXT↓

episode18 ふたりの女性と娘のこと   松風

18.1 明石の君、京へ


 

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