episode4 年上の彼女と癒しの彼女   夕顔

4.1 夕顔との出逢い

🌟夕顔ざっくりあらすじ

 空蝉との恋がうまくいかない源氏は六条御息所という新しい恋人と付き合うようになります。またそれと並行して夕顔という女性とも出逢い恋に落ちました。



【超訳】夕顔

源氏17歳 夕顔19歳

六条御息所ろくじょうのみやすどころ24歳


✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 源氏は新しい恋人、六条御息所ろくじょうのみやすどころとつきあっていた夏の頃のおはなしね。

 彼女の家に行く前に、源氏の家来の惟光これみつのお母さんが源氏の乳母めのと(母親がわりに育ててくれた人)で、その人が病気で寝込んでいたので、源氏は惟光と一緒に乳母のお見舞いに行くことにしたの。

 乳母の家の隣の庭に見慣れない花が咲いているの。その花の名前をそこの家の人に尋ねると、その家の女主人が花と一緒に扇子を渡してきたの。その扇子には歌が書いてあったの。女の人から和歌をよこすなんて、一気に源氏は興味を持っちゃうの。


~ 心あてに それかとぞ見る 白露の 光そへたる 夕顔の花 ~

(あなたのいるところだけに光が反射して眩しいのだけれど、もしかしてそこにいらっしゃるのは光源氏の君なの?)


 そこに咲いている花は夕顔という名前なのよ、と答えながら自分の方から和歌を源氏に贈ったこの女性が夕顔の君。その頃女性の方から和歌を贈るなんてチョー大胆なことだったと思うのね。こんな大胆なアプローチに源氏の君が盛り上がらないわけがない、かな? 


「惟光、あの家には誰が住んでいるか知ってる?」

 惟光はまた源氏のオンナ好きが始まったって思うの。

「知りませんよ。僕は母の看病に来ているだけですから」

 冷たくあしらおうとする惟光なの。

「だってさ、こんな扇子もらったらアプローチされたら気になんじゃん。な? ちょっと調べてみてよ」

 従者に呆れられようと源氏はあの女子のことが気になってしょうがないの。で、源氏の返歌がコレ。


~ 寄りてこそ それかとも見め 黄昏れに ほのぼの見つる 花の夕顔 ~

(だったらもっと近くで見て確かめてみる? 俺のコト)


 家の様子から源氏よりずっと下の身分だろうけれど、思わぬところでカンジのいいコを見つけたのかもって源氏は盛り上がるのよね。


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

~ 心あてに それかとぞ見る 白露の 光そへたる 夕顔の花 ~

夕顔の君が源氏宰相中将に贈った歌


~ 寄りてこそ それかとも見め 黄昏れに ほのぼの見つる 花の夕顔 ~

源氏宰相中将が夕顔の君に返した歌



◇また新しいカノジョのお話です。女子の方からアプローチされて一気に盛り上がっていますね。この時代、女の子から男子に歌を贈る(声をかける)なんて超大胆な行動です。

 家柄や身分がわからないカノジョ。もちろん姿を見たこともありません。贈られた歌と扇子から妄想に妄想を重ねて源氏は恋に落ちてしまいました。


「今ならSNSで知らない人のことを好きになっちゃうカンジ?」

 確かにそうね。でも贈られたメッセージ和歌とプレゼントで恋に落ちるって……。

「なくはないんじゃない?」

 時代が移りコンテンツが変化しても「恋」のきっかけは変わらない?

 いや他の「恋のきっかけ」ももちろんありますけれどね。


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4.2 六条御息所ろくじょうのみやすどころというお方

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