4.2 六条御息所というお方

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 そのころ空蝉の夫が都に戻ってきて今度は奥さんの空蝉も新しい任地に連れて行くって源氏は聞いたの。結局あの後も空蝉と会うことはできなかったんだけれど、好きな人が遠くに行ってしまうから寂しいみたいね。

 空蝉も夫のいる身だから源氏の気持ちに応えるわけにはいかないんだけれど、源氏から完全に忘れられたくもないので手紙のやりとりはしているみたいなの。文章から彼女の人柄が伝わってきて「やっぱりいいコじゃん」って源氏は恋しく思っているんですって。


 季節は秋。藤壺の宮さまへの想いは届かず、正室の葵の上のところにもあんまり通っていないみたい。

 新しい恋人の六条御息所のもとへ通っていた源氏なんだけど、一気に盛り上がった恋ごころはすでに冷め始めているみたい。六条御息所という方は亡くなられた東宮(皇太子)さまのお妃(今は未亡人ね)で高貴な身分の方なの。宮中でも素敵な女性として評判で、源氏より8歳年上だったの。教養も豊かで、やりとりする手紙や和歌も知的で年上のオトナの女性とのオトナなつきあいに源氏も一時は盛り上がったのね。けれど、逆にいうと、子ども扱いされないように、贈る和歌や手紙も恥ずかしくないようにといつも気が張っている恋愛だったようなのよ。六条御息所にしても、自分よりも年下で、宮中でも有名な貴公子にいい年した未亡人がもてあそばれているなんてウワサが広まったら生きてはいけないわ、って悩んでいたみたい。


 ハイセンスな六条御息所のお屋敷から朝帰りする源氏の様子はとっても美しいんですって。 



To be continued ✈✈✈



◇今回の彼女は年上のお姉さまですね。今でいうと男子高校生が24、5歳のお姉さんと付き合っているカンジ? 美人で頭もよくて宮中でもみんなが憧れるハイスペック美女さん。おまけに未亡人属性💦


「男子高校生が24、5のお姉さまとねぇ。そんな設定のマンガやラノベもあるかもね」


 イケメンパワー発揮で付き合うことになって、背伸びして「オトナな恋」を頑張るんだけれど一気に燃え上がった恋ごころはアッという間に覚めていくみたいです。やれやれ。

「源氏物語ってラノベだったの?」


 ふふふ。あながち間違ってないと思います。当時のお姫様はきっと最新巻をきゃあきゃあ言って読んでいたのかもしれませんね。


NEXT↓

4.3 隠れ家デート


☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

源氏物語にエッセイ。今回は当時のお屋敷の様子。ものすごく広いお家だけど、家族は離れて暮らすんだよね。

☆源氏の世界 ⑥当時のお屋敷

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054882200208


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