☆源氏の世界 ⑥当時のお屋敷
◇今回は平安時代のお屋敷のお話です。今とはかけ離れた家族形態の暮らしをするのにやはり今とはかなり違うお家で暮らしていたようです。
宮中もそうなんだけど、当時の皇族、貴族のお屋敷は寝殿造りという形式のお家だったみたいね。残念ながら現存する平安時代の寝殿造りの建築物はないんですって。最も近いのが京都御所だそう。皆さんお馴染みの10円玉の平等院鳳凰堂は寝殿造り風なんですって。
で、その寝殿造りのお家をざっくりご紹介。
とっても大きなお屋敷なの。まずメインの建物が寝殿。お屋敷の主人が住んでいるところね。南側が大きな庭になっていて池も造って、花や木を植えて季節を感じられるようにしているのかな。このお庭がよく眺められるように寝殿から南に延びる渡り廊下の先に
この寝殿の両側に
これらの建物を
ほかにも北の対とかいろいろな建物があるみたいだけれど、すべてが渡殿で繋がっていたのね。
主な建物だけ紹介してみます。文章だけなのでどこまでわかってもらえるか不安だけれど、やってみますね。
☆寝殿(主人の居住地)
簀子(外廊下)は屋根はあるけれど外だし(今でいうひさしのあるベランダ? マンションの外通路?)、その内側の廂だってすだれごしじゃ寒いわよねぇ。そして母屋にしたって障子やすだれでしか隔てていなかったから冬はどの部屋ででも火鉢が必需品。現代の今では室内で炭を燃やすなんて一酸化炭素中毒になっちゃうけれど、寝殿造りはあまりに通気がいいので(?!)中毒にもならなかったのですって。
塗籠以外には壁がないオープンスペースを状況によって
☆
奥さまや子供達を住まわせたところ。ここも寝殿と同じように母屋と塗籠を廂と簀子で囲む造り。
寝殿でも同じだけれど、母屋には畳が敷かれ、
高貴な人の顔や姿は屋敷に来る来客や身分の低い家来などには見せられないので、几帳や御簾や屏風などを使って空間を仕切ったの。でも壁などの仕切りはないので、プライベート空間なんてほぼないのよね。廂という母屋を取り囲む内廊下も几帳などで区切って女房達が控えているの。
そんな布や紙だけで一応仕切られたところにオットなりカレシなりがやってきて夜のデートをするわけよね。話し声やら何やらきっと筒抜け。よく秘密のデートなんてできたものだわ。禁断の恋っていったって家来や女房にはバレているはず。それって秘密にできるのかしら? そんなに口が堅かったのかしらね?
☆北の対(愛人の居住地)
西の対、東の対よりは格が落ちるみたいね。付き合っている女の人を住まわせたとか。
◇そしてこの寝殿造りの豪華版が源氏物語に登場する源氏の君の「六条院」なの。源氏が出世して成功した象徴みたいなものかしらね? 夢のマイホームというにはあまりに豪華なんだけど。
ひとつの寝殿造りのお屋敷が「寝殿・東西の対屋」で1セットとするとこのセットを3つ造ったの。「春の町」「夏の町」「秋の町」と名付けてね。それから「冬の町」もあるんだけど、ココには寝殿は造らなかったの。そしてこの春夏秋冬の町をすべて渡殿でつないで巨大な豪邸にしたのよね。
それぞれの町には源氏の奥さまたちが住んだり、子供達の帰省先になっていたみたいね。
こんな寝殿造りのお屋敷が源氏物語の主な舞台となるの。こういうお屋敷で源氏が寝ている空蝉の部屋に侵入したり、廊下で朧月夜の君と出会ったり、降ろしてあった
現代の家とはまったく違うお屋敷の様子、少しはお分かりいただけたかな?
☆こちらのサイトで平安時代の風俗や六条院について詳しく解説されています。
六条院の間取り(超豪邸!!)など画像や図もたくさん見られます。
よかったら訪ねてみてくださいね。
風俗博物館 http://www.iz2.or.jp/rokujoin/index.html
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます