10.4 手紙魔?
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
源氏は宮さまに応えてもらえなくて落ち込んでしばらくお寺(雲林院)に引きこもるの。紫の上とは手紙のやりとりはしているんだけれどね。
~ あさぢふの 露の宿りに 君を置きて
(キミを置いてひとりにしちゃったけれど、心配で仕方がないよ)
~ 風吹けば
(あなたの心変わりが心配だわ。わたしにはあなたしかいないのに)
紫の上の女らしい文字を見て、自分の育て方はうまくいったななんて思っているみたいよ。
おまけに賀茂神社の斎院を務めているいとこの朝顔の君にも手紙を送るの。
~ かけまくも
(今は神にお仕えしているあなただから恐れ多いけれど、昔朝顔の歌をやりとりしたことなんかを思い出すよね)
賀茂の斎院になる前の朝顔の君に源氏はなんどもアプローチしてたのよね。
~ そのかみや いかがはありし
(昔ってどうだったかしら? 忘れられないなんて言ってるけれど?)
朝顔の君は源氏の恋人にはならなかったのね。
しばらくして二条院に戻り、宮中にも参内するようになったの。帝に挨拶してから藤壺中宮さまと東宮さまに会いに行くの。
「おかあさまがお帰りになるまで起きているんだ」
親子でも中宮さまと東宮さまは一緒に暮らしていないの。そのおかあさまが会いに来てくれているので、もう夜で本当は寝る時間の東宮さまがそんな風におっしゃるからとっても可愛らしいのね。
朧月夜ともまだ付き合っているんだけど、さすがに桐壺院が亡くなって右大臣派が権力を握っているからしばらくは連絡していなかったんだけど、そうしたら朧月夜の方から連絡してきたの。
~ 木枯らしの 吹くにつけつつ 待ちし
(木枯らしが吹くたびに(あなたが)来てくれるのを待っているのにちっとも来てくれないのね)
久しぶりの
~ あひ見ずて 忍ぶる頃の 涙をも なべての秋の しぐれとや見る ~
(キミに逢えなくて泣いている恋の雨をただの雨だとでも思ってんの?)
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~ あさぢふの 露の宿りに 君を置きて
源氏宰相大将が紫の上に贈った歌
~ かけまくも
源氏宰相大将が朝顔の君に贈った歌
~ あひ見ずて 忍ぶる頃の 涙をも なべての秋の しぐれとや見る ~
源氏宰相大将が朧月夜
◇こうして源氏が贈った歌を並べるといくら多重恋愛の時代だとしても、「やれやれ」とためいきがもれてしまいますね。藤壺の宮さまが自分の気持ちに応えてくれないからでしょうか。
「なんだか呆れちゃう。誰にでも好きだ好きだって言ってるんでしょ?」
「好きだって書いてあっても信じられないよね。他の人にも言ってるんでしょ? って思っちゃう」
NEXT↓
10.5 藤壺の宮の出家
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます