6.4 可愛い紫の君

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 そんな源氏に姫もようやく心を開き始めて、お正月の支度にと源氏に和歌と衣装を届けるの。


~ からころも 君が心の つらければ たもとはかくぞ そぼちつつのみ ~

(あなたがツレナイからわたしのたもとはこんなに濡れちゃってるの)


 上手でない和歌と野暮ったい衣装の贈り物に源氏はこんな歌を詠んだのよね。


~ なつかしき 色ともなしに 何にこの 末摘花を 袖にふれけむ ~ 

(大して好きでもないのに、なんであの子と付き合っちゃったんだ?)


 これ以来、宮家の姫のことを末摘花の君と呼ぶことにしたの。末摘花というのは紅花のことなのね。紅花=赤い鼻ってことね。



 紫の君とは兄妹のような仲の良い関係だったの。まだ紫の君が幼いからさすがに結婚はしてないの。人形遊びをしているときに源氏はわざと紅を自分の鼻に塗ってふざけるの。


「俺がこんな風にブサイクになっちゃったらどうする?」

「そんなのいやだわ」

「やべ、赤いのが取れなくなっちゃったよ!」

「やだやだ! どうしたらいいの?」


 紫の君が源氏の鼻が赤いままだったらどうしようと焦っているの。源氏も紅がとれないと言って紫の君をからかうの。心が癒されて和むひとときを源氏は満喫していたのね。





第六帖 末摘花


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

~ なつかしき 色ともなしに 何にこの 末摘花を 袖にふれけむ ~ 

源氏宰相の中将が末摘花の君のことを想って詠んだ歌



◇第六帖末摘花でした。

episode6 雪の朝の衝撃   末摘花

6.1 ウワサの令嬢

6.2 強行突破! 既成事実?!

6.3 クチコミの現実

6.4 可愛い紫の君


 源氏物語で最も微笑ましい巻でしょうね。この頃の恋愛形式だと充分に起こり得ることですよね。会ったこともない人を好きになって、気持ちだけ盛り上がって、暗い夜に暗いお部屋でデートして、明るくなってからあらビックリっていうね。

 対照的に幼くても可愛らしい紫の君が源氏の癒しになってきていますね。こちらは幼いうちに自宅に連れてきているから(略奪まがいだったけれど)、最初から顔を見ているし、そのお顔があの憧れの人とそっくり。こちらがこの時代では珍しいパターンでしょうね。


「今で言うなら人気アイドルと地味女子のラブコメってカンジ?」

 男子は宮中人気ナンバーワンだものね。

「今回はコメディ要素強いよね?」

 藤壺の宮さまとの禁断の恋とはテイストがまったく違いますね。


NEXT↓

episode7 死ぬまで持っていく秘密   紅葉賀

7.1 愛の歌



☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

源氏物語エッセイには平安トリビアも載ってるの。よかったら覗いてみて。今回は女子の衣装についてなの。平安ガールズコレクションだね。

 十二単、即位の礼のとき皇后さまが着てたよね。綺麗だったよね――!


☆源氏の世界 ⑦艶やかな十二単

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054882893002








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