31.4 玉鬘、宮中へ 冷泉帝の想い
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
突然髭黒に襲われて結婚することになった玉鬘はとっても落ち込んでいるの。そんな沈んだ気分が治ればと髭黒が玉鬘を宮仕えに行かせてあげるの。実の父が内大臣で養父が源氏の大臣ということで二人の大臣が後ろ盾で夫が大将なので、参内の儀式も華々しくて派手なのね。夕霧中将も世話役になっているの。でもそのまま宮中に居られても困るから日帰りという条件でね。源氏にも「少しの時間だけですからね」と念を押すんだけど、源氏は「まあまあそんなに急かさなくても」というから髭黒はハラハラしているの。
宮中に参内した玉鬘のところに冷泉帝がいらっしゃるの。源氏にそっくりの美しいお顔の帝なの。
~ などてかく はひ合ひがたき 紫を 心に深く 思ひ初めけん ~
(一緒にはなれないあなたをどうしてこんなに深く想ってしまったのかな。これ以上深くはなれないのかな)
美しい帝がそうおっしゃるの。玉鬘も和歌で答えるの。
~いかならん 色とも知らぬ 紫を 心してこそ 人はそめけれ ~
(そのようなお気持ちとは存じませんでした。これからはご恩に報います。)
「結婚してしまったのにどうやって仕えてくれるの?」
「私の方が先に愛していたのに」なんて帝はおっしゃるの。
玉鬘は困ってしまって返事はできないの。
冷泉帝は髭黒と結婚してしまったことを残念だって言うんだけど、玉鬘は恥ずかしくて受け答えができないのね。髭黒は帝が玉鬘のところに行ったって聞いて心配で心配でならないの。そこで玉鬘の父親の内大臣に泣きついて玉鬘の退出のお許しをもらったの。
来たばかりなのにもう帰ってしまう玉鬘に帝は残念がるの。けれどもこれで懲りてしまって来てくれなくなると困るからね、と帝は少し和歌をやりとりしてから玉鬘の退出を許可したの。
~
(君が帰ってしまったら美しい君のウワサも私には聞こえないんだろうね)
「手紙くらいは送ってもいいかな」
帝はそうおっしゃるの。
ぱっと見普通の梅の花の歌のようにも聞こえたんだけれど、美しい帝が詠まれたから玉鬘はキュンときちゃったみたいよ。
~
(香りだけは(お手紙なら)風におことづけくださいませ。後宮のお妃さまたちにはとても及ばないわたくしですが)
玉鬘の対応にますます帝は帰したくないんだけれど、しかたなくその場を離れたの。
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~
冷泉帝が帰ってしまう玉鬘尚侍に贈った歌
~
玉鬘尚侍が冷泉帝に返した歌
◇尚侍として宮中にやってくるのを楽しみにしていた冷泉帝から「愛の和歌」をいただいてしまいました。
―― 深く想っていた ――
―― あなたを愛していた ――
―― 手紙くらいは贈りたい ――
美貌の帝からの告白。
本当だったら。
髭黒の大将と結婚していなかったら。
帝の気持ちに応えられたかもしれないのにと思うとやっぱり残念でなりません。
「そうだよ。玉鬘ちゃんも冷泉帝さま見て素敵だって思ったんだもんね」
美しい冷泉帝と麗しい玉鬘
きっとうっとり見とれるほどの美男美女カップルだったでしょうにね。
「冷泉帝さまと結婚してほしかったよぉぉぉぉ」
NEXT↓
31.5 六条院を離れて
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます