22.3 源氏と対面

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 夕顔の娘の元には源氏からの贈り物が次々と届くの。実の親でもない人からこのようなものをいただく理由がないと遠慮はするんだけれど、右近や周りの勧めもあって六条院に移ることにするの。六条院では夏の町に入ることになり、花散里が母親代わりを務めることになるの。源氏は紫の上にも事情を話したわ。


 とうとう夕顔の娘と源氏が対面するの。九州にいたころにも「都の光源氏」のウワサは届いていて、そのリアル源氏の美しさに姫も女房たちも圧倒されてしまうの。源氏も彼女を見て、思わず夕顔の事を思い出して涙ぐむの。声なんて夕顔にそっくりなんですって。

 源氏はすっかり親気分で世間には自分の娘と知らせるの。姫は美しく感じがよかったから源氏は嬉しくて紫の上に話すの。都の男子たちが彼女に求婚にくることになる、と源氏は楽しみにするの。紫の上からは「変わったお父様ねぇ。男子たちを煽るなんて」と呆れられるの。源氏は彼女のことを想ってこんな歌を詠むの。


~ 恋ひわたる 身はそれなれど 玉鬘たまかずら いかなる筋を 尋ね来すらむ ~

(ずっと夕顔カノジョのことを想っていたけれど、玉鬘(玉を繋げたアクセサリー)のようにつながっていたキミはどうやってここまで来たんだろうね)


 そんな歌を詠って夕顔の娘のことを玉鬘と呼ぶようにするの。


 夕霧も花散里に面倒を見てもらっているので、玉鬘のことを母親の違う姉だと思っているの。玉鬘は本当は姉弟ではないから気が引けちゃうんだけどね。筑紫からの脱出を協力してくれた豊後の介も六条院の家司けいし(貴族の家に勤める役人)になることができて筑紫の家族を呼び寄せることができたし、彼女の周りの人も幸せになっていくの。


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

~ 恋ひわたる 身はそれなれど 玉鬘たまかずら いかなる筋を 尋ね来すらむ ~

源氏大臣が玉鬘を想って詠んだ歌



◇源氏が元カノ夕顔さんの娘と出会いました。夕顔から繋がる彼女のことを玉のアクセサリーにたとえて「玉鬘」と詠いました。この巻のタイトルですね。ここから10巻を「玉鬘十帖」と呼びます。玉鬘をめぐる恋物語です。


「玉鬘ちゃん、素敵な名前だね」

「玉鬘ちゃんは血は繋がっていないけれど源氏の養女になったんだね」

 でも夕霧のように源氏の娘だと思っている人が多いようです。


「あのさ、まさかと思うけどさ、玉鬘ちゃんをめぐる恋物語ってさ……」

「……、まさか大丈夫だよね?」


 さて、こまちちゃんの心配は的中するのでしょうか。


NEXT↓

22.4 ファッションチェック?!


☆☆☆

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関連するトピックスがあります。よかったらご覧になってくださいね。


topics14 源氏物語54帖のうちわけ

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