22.2 運命にみちびかれて

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 肥後(熊本県)の役人で大夫監たゆうのげんという男がいたんだけれど、美しい彼女の噂を聞いて求婚してくるの。どんな障害があっても大切にするからって。大夫監は30歳くらいで身体が大きくて太っていて豪傑なカンジだから見た目が怖いの。地元では有力者だから無下に断って仕返しされるのも怖くて乳母の息子たちは大夫監の味方にまわってしまうの。

 けれど長男の豊後の介ぶんごのすけだけは覚悟を決めて夕顔の娘を都へと逃がそうと決心するの。自分にも家族がいたんだけれど、ひとまず妻子を置いて父の遺言を守るために母の乳母や妹たちと一緒に夕顔の娘を守って都へと逃げるの。

 大夫監が追ってくるかと心配したけれど、なんとか逃げ延びて都へとたどり着いたのよ。


 けれど都に着いたとはいえ、豊後の介や乳母には内大臣姫のお父さんへのツテがなく、連絡のとりようがなかったの。とりあえずはお参りにでも、と神社やお寺参りに行くことに。

 そこで偶然休暇をとって同じくお寺参りをしていた右近と感激の再会をすることになるの。


 右近は成長した夕顔の娘の美しさに驚くの。源氏の奥様の紫の上さまにも劣らない美しさだと感心したの。都ではない田舎で育ったにもかかわらずよくぞこんなに気品高く育ててくれたと右近は乳母に感謝したのよ。

 乳母は右近に姫さまのことを父親の内大臣に知らせてほしいと頼むんだけれど、実は探しているのは源氏だと話して、右近は過去のこと(夕顔は源氏とのデート中に亡くなった)を打ち明けたの。


 右近は六条院に戻るの。源氏と一緒にいる紫の上を見ると、夕顔の娘も美しかったけれど、やっぱり紫の上さまには適わないかしら、なんてことも思うらしいの。紫の上は27、8歳になっていて美しい盛りなの。右近の休暇中にさえまた美しくなったんじゃないかって思わせるほどなんですって。右近は源氏にとうとう夕顔の忘れ形見を見つけたことを報告。すると源氏はすぐに六条院に引き取ろうと言い出すの。実の父の内大臣に知らせたところで向こうは子だくさんで他の子どもたちに気おされてしまうだろうから、自分の元で養女として育てて世間に披露しようと考えるの。




To be continued ✈✈✈


「よく京に戻ってこられたね。豊後の介さんグッジョブだったね(^_-)-☆」

 他の兄弟は大夫監たゆうのげんの味方でしたのもね。


「京に来てもすぐにお父さんに会いに行けないんだね」

 身分の高い内大臣なのでいきなり連絡をとることはできないようですね。


「でも右近さんと出会えてよかったよね」

 右近も夕顔と一緒にいなくなっているので豊後の介や乳母は連絡先を知りませんでした。


 幼いころに母と別れてしまい九州で育ち、京に戻ってきて、右近と再会、そして源氏の待つ六条院へとやってきます。運命的な展開です。


「ドラマチックプリンセス♡」


 彼女の運命の赤い糸は誰とつながっているのでしょうね。源氏に養女として引き取られ六条院での華やかな暮らしが始まります。






NEXT↓

22.3 源氏と対面


 

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