49.4 夫婦ゲンカも和歌にのせて?!
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
六の君と結婚した匂宮は昼間も六条院にいるようになるの。もともと六条院はお母さんの明石中宮さまの実家でもあり、自分の部屋もあるからなかなか中の君のいる二条院に帰りにくいみたいなの。六の君は色白で容姿も美しい貴婦人で欠点がみつからないんですって。ただ可愛らしさや物柔らかで魅力的なのは中の君だなぁとも思っているの。
中の君はこんなことになるんだったら宇治から出てくるんじゃなかったわって思うの。今からでも宇治に行ってあちらで休みたいわなんて考えるようになるの。妊娠中で体調がよくない中の君はお父さんの供養のことで会いたいって薫に手紙を書くの。
すぐに薫はやってきてくれるの。前に宇治の山荘で薫と中の君は寝室で一緒に過ごした夜があったけれど(大君が中の君と薫を結婚させようと思って寝室から逃げちゃった夜ね)、薫は匂宮と違って紳士なので(あの夜も話をしただけでカラダの関係は結ばなかった)、いつもは御簾越しの対面なんだけど、今日は御簾の中に席を設けて几帳越しに話をするの。
匂宮の結婚のことを中の君は愚痴ったりはしないけれど、宇治に行きたいとつぶやく中の君に薫は自分を抑えられなくなって中の君の袖をつかんで口説き始めるの。もちろん中の君は抵抗するんだけど、薫は前に会ったときよりも美しくなっている中の君を見てやっぱり匂宮とじゃなくて自分が結婚すればよかったってまた後悔するの。けれども中の君の妊娠しているときにする帯を見た薫は我に返ってそれ以上はなにもしないで帰って行くの。そうはいっても中の君への恋心はどうしようもないみたい。なんとかしてこの恋を成就させたいって思っているんですって。
匂宮が久しぶりに二条院に戻ってくるんだけれど、薫の残り香が香っているから中の君と何かあったんじゃないかって疑うの。
~ またびとに なれける袖の 移り香を わが身にしめて 恨みつるかな ~
(アイツの香りがキミからしてくるなんて超ムカつくんだけど)
~ 見なれぬる 中の衣と 頼みしを かばかりにてや かけ離れなん ~
(わたしたち夫婦の仲ってこんな香りだけで終わっちゃうの?)
中の君は匂宮が思っているようなこと(薫と浮気)はないわって泣くの。そうなると匂宮も愛しい中の君のことをきつくは問い詰められないの。でも薫は油断できないって感じた匂宮はしばらく中の君のそばを離れようとしないの。
薫も勢いとはいえ友人の奥さんを口説いてしまったことを後悔するんだけれど、匂宮が中の君を大事にしていることを知ると安心もするの。
中の君もお姉さんの大君さえ生きていてくれたら薫の心も迷うことはなかったのにって思うの。匂宮の六の君との結婚もショックだったけれど、薫が自分に想いを寄せていることも中の君にとっては悩ましいことなのよね。
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~ またびとに なれける袖の 移り香を わが身にしめて 恨みつるかな ~
匂宮が中の君と薫の仲を疑って詠んだ歌
~ 見なれぬる 中の衣と 頼みしを かばかりにてや かけ離れなん ~
中の君が「あなたが思うようなこと(浮気)はしていないわ」と返した歌
◇「お前、浮気してんの?」
「何言っているの? するわけないでしょ!」
そんな夫婦ケンカも和歌で繰り広げられるようですね。
「和歌だとちょっと優雅なカンジもするけれど、内容はケンアクだよね」
でも浮気はしていないと涙を流す中の君を見て匂宮が折れたようです。
「でもさぁ、薫くんは中の君ちゃんに恋しちゃってるの? それってヤバくない?」
中の君は匂宮の奥さんですし、匂宮とは友人同士です。
「薫くんが中の君ちゃんとうまくいっちゃって、それが匂宮くんにバレたらエライことだよね?」
エライことです。
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49.5 大君によく似た姫君
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