48.3 薫の想い 匂宮のけん制

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

 夕霧は娘の六の君をすぐに匂宮と結婚させるはずだったのに、突然宇治から出てきた姫君が二条院匂宮の自宅にお嫁入りしたから面白くないのね。それでも予定していた裳着もぎ(女の子の成人式)をいまさら中止にもできず行うの。

 いっそ匂宮との結婚をやめて薫に六の君を嫁がせようかとそれとなく探ってみるんだけれど、もちろん薫にそんな気はないのね。


 桜の季節に薫が二条院にいる匂宮を訪ねていたんだけど、匂宮が御所に参内することになって支度を始めるの。そのあいだに薫は中の君のご機嫌伺いに行くの。中の君はもし大君が生きていて薫と結婚して近所の三条邸にいたら、お互い行き来して花や鳥を眺めて楽しく暮らせただろうにって思うの。薫も中の君もまだ大君を亡くした悲しみから立ち直れないみたい。物越しの対面だけれど大君の話をして薫は帰って行ったの。

 そこに匂宮が出かける挨拶をするためにやってきて今まで薫がここにいたことを知るのね。

「そこまで他人行儀にしなくてもいいんじゃないの? もう少し薫と仲良くしてやったら?」

 なんて言ったそばから

「でもな、アイツが異様に親切なのは下心があるからかもな。気をつけなよね」

 ともいうのよね。薫は今も大君のことを想っているし、中の君は薫に感謝はしていてもそれ以上の感情はないのに夫の匂宮から薫との仲を疑われてうっとおしく思ったみたいね。




第四十七帖   早蕨


To be continued ✈✈✈






◇第四十八帖早蕨さわらびでした。

episode48 宇治から都へ   早蕨

48.1 大君を亡くして

48.2 中の君、二条院へ

48.3 薫の想い 匂宮のけん制



 ◇宇治十帖の舞台が宇治から都へ移りました。

 大君を失った悲しみから立ち直れない薫と中の君ですね。そんな中の君ですが、匂宮が心を尽くして自宅の二条院に迎え入れましたね。女性関係の派手な匂宮ですが、中の君を「通いどころ愛人扱い」ではなく自宅に迎えたことが匂宮なりの誠意なのでしょうね。


「中の君ちゃんもお父さんやお姉さんを亡くして辛いけれど、これで匂宮くんと一緒に暮らせるからもう大丈夫だよね?」

 匂宮と中の君の物理的な距離はなくなりました。


「でも夕霧くんの娘さんとは結婚しないといけないのか……。でも中の君ちゃんも大事にしてもらえるよね?」

「大丈夫だよね?」

「なぎさちゃん、大丈夫だって言って!」


 ……。次巻以降を読んでみてね。



NEXT↓

episode49 薫の想いと運命の女性   宿木

49.1 周りの思惑

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