episode6 雪の朝の衝撃       末摘花

6.1 ウワサの令嬢

🌟末摘花すえつむはなざっくりあらすじ

 ある姫のウワサを聞いた源氏は彼女に会おうとしますが、頭中将も彼女に関心を持っていると知って焦った源氏は彼女に猛烈アピールをします。上手くいったあとに襲うとある衝撃。

 対して紫の君とは仲の良い兄妹のように過ごしています。


【超訳】末摘花すえつむはな

源氏 18~19歳 紫の君 10~11歳


✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 いつになっても源氏は夕顔を失ったことが残念な様子なの。正室の葵の上はあいかわらず冷たいし、付き合っている六条御息所ろくじょうのみやすどころは疲れるので、一緒にいるのが楽しくて癒し系だった夕顔のことばかり想い出しちゃうのよ。おまけに空蝉のことまで思い出してみたりして未練タラタラのある日のことだったのよね。


 大輔の命婦たゆうのみょうぶという女房(源氏の幼馴染)があるお嬢さまの話をするの。彼女は宮家の娘なので皇族で、大輔の命婦がときどき様子を見に行っても、身分が高いので、対面も御簾みす越しで顔を見たことがないんですって。お父様の宮様は亡くなられていて、特に誰とも付き合うこともなく、琴だけをそばに置いてひっそりと暮らしているっていうの。


「へ――、琴が上手な深窓の令嬢ねぇ」

 いつものクセですぐに女の子に興味を持ってしまう源氏。一回その琴の演奏聞いてみたいな――と大輔の命婦にリクエストするの。

 大輔の命婦がセッティングして源氏をお屋敷に呼んで姫に琴の演奏をしてもらったんだけど、これがそんなには上手じゃなかったのね。下手でもないんだけど、源氏の君のお琴の方がはるかに上手だったから大輔の命婦が機転をきかせて演奏を終わらせちゃったの。

「なんだかあんま聞こえなかったし、あれじゃ上手いかどうかわかんねぇよ」


「なあ、もう少し姫の近くに連れてってくんない?」

「そんなことムリに決まっているでしょうに」

 源氏は大輔の命婦に文句を言いつつも、ホントのところはもっと近づきたいって煽られちゃったみたいね。


「姫と付き合えるようにセッティングよろしくな」

 源氏は大輔の命婦にそう言って別のデートの約束があるのか帰ろうとするの。

主上うえさま(帝で源氏のお父さん)はあなたが真面目過ぎるなんておっしゃってるけれど、こうやって夜遊び(浮気)しているところを見せてさしあげたいわね」

 幼なじみの気安さで大輔の命婦がそう言うの。

「へ――、こんなで浮気なんて言うならキミの派手なオトコづきあいはどう言うのさ」

 源氏も大輔の命婦のことをからかうの。




To be continued ✈✈✈


◇この時代女の子と出会う機会はほぼありません。「どこそこのお嬢さんがキレイらしい」「誰々さんの姫がめっちゃ可愛いんだって」「あの子は琴がスゲーうまいんだってよ」なんてウワサを聞いて、気になる女の子に手紙や和歌を送ります。

 会ったことのない女の子に恋をする男子。口コミで広がる女の子のウワサ。恋の仕方も今とは全然違いますね。


「女の子は家から出ないの?」

 そうなのよ。貴族だから広いお屋敷だけれど、お出かけはほぼしないの。学校もありませんしね。

「恋人どころか友達もできないじゃん」

 本当ね。

「絶対に今の方がいい!」


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6.2 強行突破! 既成事実?!

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