13.2 気になる明石の君
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
須磨は寂しく静かな印象だったけれど、ここ明石の空は澄み渡っていて明るい雰囲気で漁村も賑やかなんですって。
明石入道は出家しているので毎日読経をしているけれど、娘を源氏と結婚させたいのでそれとなく源氏に娘の話をするの。源氏は都で待っている紫の上のことを想うとそんな気になんてなれないって最初は思うんだけど、なんだかんだいって明石の君のことを意識しだすのよ。
明石の君は源氏の姿をちらっと見かけて、「世の中にこんな美しい方がいらっしゃるの?」と驚いてしまい、自分となんて身分が違いすぎて釣り合わないから、お父さんが結婚させようとしているのを辞めてほしいと思っているの。
源氏が琴を弾くと、それを聴いていた明石入道は娘の琴も素晴らしいんですと源氏に話すの。源氏もそんなに上手なら聴いてみたいねと興味を持つの。明石入道は源氏に自分の話を聞かせるの。娘は
まずは手紙のやりとりから始めるか、と源氏は明石の君に和歌を贈るんだけど、返事はこないの。
~
(知らない土地で寂しく暮らしてるけれど、キミの噂を(お父さん)から聞いたんだ)
~ 眺むらん 同じ雲井を 眺むるは 思ひも同じ 思ひなるらん ~
(物思いしながら眺めていらっしゃる同じ空をながめている(娘の)気持ちもきっとあなたさまと同じなのでしょう)
明石の君が返事を書かないので、お父さんの明石入道から代筆の返歌が届いたりしてすんなりとはうまくいかないみたいね。
「(
源氏は苦笑いね。
代筆の返事はもういらないから、と源氏はまた手紙と歌を贈るの。
~ いぶせくも 心に物を 思ふかな やよやいかにと 問ふ人もなみ ~
(悶々と悩んでいるんだ。「どうしてる?」って気にしてくれる人もいないから)
とても綺麗な紙に美しい文字。明石の君はますます恐縮してしまうの。それでもお父さんに返事を書くように責められちゃうの。
~ 思ふらん 心のほどや やよいかに まだ見ぬ人の 聞きか悩まん ~
(想ってくださるっておっしゃるけれど、本当ですか? まだ会ったこともないのに悩んでいらっしゃるなんて)
明石の君の歌は歌の出来具合も文字の美しさも京の貴婦人と比べても見劣りがしないようよ。
そんな頃、都では天変地異が起きていて、激しい雷雨の夜に朱雀帝の夢に桐壺院が出てきて、ものすごい目で睨んだんですって。帝は源氏を追いやってしまったことを院が怒っていらっしゃると焦るの。そして院から睨まれたからか、帝は目の病気になってしまい、右大臣は亡くなり、弘徽殿大后も病気になってしまったの。
「私が源氏の官位を
朱雀帝はそう考えるんだけれど、源氏を憎んでいる弘徽殿大后は大反対なのよね。
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~ いぶせくも 心に物を 思ふかな やよやいかにと 問ふ人もなみ ~
源氏が明石の君に贈った歌
~ 思ふらん 心のほどや やよいかに まだ見ぬ人の 聞きか悩まん ~
明石の君が源氏に返した歌
◇あんなに紫の上に逢いたがっていたのに源氏は明石の君のことが気になり始めます。明石の入道はどうしても娘と源氏を結婚させたいようですが、明石の君は源氏があまりにも美しくて身分も高いので、自分とは不釣り合いでとてもお付き合いなんてできません、と拒んでいますね。
「明石の君はやめてって思ってるのに、パパが乗り気なんだね」
娘を高貴な人と結婚させるために京の仕事もやめて明石に移り住んだんですって。
「京にいたほうが高貴な人、いっぱいいるんじゃないの?」
そこは神様のお告げ、ですからね。そしてこうして明石に源氏がやってきました。運命、なのでしょうか。神様のお導きなのでしょうか。
「ねえねえ、朱雀帝さん桐壺院さまに睨まれて目の病気になっちゃったって!」
「やっぱり、源氏物語ってホラーなの?」
もののけ、あやかし、などの類なのかしら?
NEXT↓
13.3 最高のカノジョ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます